Paistunturin erämaaへ

夏至の日には、トナカイ飼いでもあるTravel UtsjokiのPetraさんに案内してもらって、Paistunturi原生保護区(Paistunturin erämaa/Báišduoddara meahcceguovlu)の北東の端あたりの標識のないルートを歩いた。 4~5時間のハイキング中には、思っていた以上にたくさんのトナカイ(それも 5月に生まれたばかりの子トナカイと母親たち!)を目撃した。 0:00 /0:13 1× 今はちょうど、5月にKevo自然保護区(Kevon luonnonpuisto/Geavu luonddumeahcci)で子を産んだトナカイたちが、Paistunturiに戻ってくる時期らしい。子を連れた母トナカイたちは特に警戒心が強く、人間の存在を察知すると興味は示すものの、素早く離れていく。 0:00 /0:15 1× 0:00 /0:…

Kokkoを見にふたたびMantojärviへ

Travel UtsjokiのPetraさんには、私の身長にあうレンタルバイクの手配までしてもらった。夕食後、Mantojärviまでサイクリングに出かけることにした。 Utsjoki/Ohcejohka。何もかもが雄大なところ。そして、静かだ。 しかし、それにしても寒い。明日は夏至。…

ウツヨキのヴィレッジ・ホール“GIISÁ”

Travel UtsjokiのPetraさんの案内によるウツヨキとサーミの歴史、伝統、文化等を巡るツアーの最後に立ち寄ったのは、ウツヨキのヴィレッジ・ホールUtsjoen Kylätalo Giisá。入口にはもちろんサーミの旗が掲げられている。ここは、この地域に暮らす人たちの憩いや情報交換のためだけの場所ではなく、観光案内所も兼ねていて、旅人向けの情報や地図、本、お土産なども揃っている。 カフェで食べたkorvapuusti(シナモンロール)がとても美味しかった。 風が強くて寒いので、持参している薄手の帽子では不安になり、現地の人が手作りしたというサーミのパターンが編み込まれたニット帽を購入した。これで明日の標識のないルートを登るトレッキング(fellの上は吹きっ曝しで下界より更に冷えるらしい)にも事足りるはず。…

Past and present in Utsjoki village

Travel UtsjokiのPetraさんに案内してもらって、ウツヨキとサーミの歴史、地理、伝統、文化等を巡るツアーに出かけた。 2024年のトナカイ王(トナカイレースのチャンピオン)Kultalaの飼主でもあるPetraさんからは、多くのことを教えてもらった上に、私一人だけのプライベートツアーだったこともあって、たくさん質問をすることもできた。彼女は、先祖代々サーミのトナカイ飼いをされてきた方のパートナーであり、実際に数百頭のトナカイを飼いながら暮らしている。そんな彼女から、真摯な視点や率直な考えを聞くことができたのは貴重な機会であり、とても濃密で感慨深い3時間だった。 そして、私がウツヨキという地を認識するきっかけとなった、Harald Viggo Moltkeの絵の中に描かれたウツヨキ教会とログハウスにも来ることができた。夏至祭前日の今日は、夕方からこのMantojärvi湖畔でKokkoが焚かれる。…

Utsjoki/Ohcejohka

ウツヨキ(Utsjoki/Ohcejohka)は、空も、川も、山(英語では"fell"と呼ばれる)も、すべてがあまりに壮大で、写真に撮るのが難しい。ここは、イナリとは気配がまったく違っている。大きくて、広くて、とても静かだ。時の流れすら異るように感じられる。 0:00 /0:15 1× フィンランドとノルウェーの国境にもなっているテノ川(Tenojoki/Deatnu)に架かるサーミ橋まで歩いてみた。 イナリよりもさらに125 km北に位置するウツヨキは、EU最北の地域でもある。もちろんここでも太陽は一晩中沈むことはなく、22時を過ぎても、イナリで見たより高い位置にある。 夜22時半の気温は5℃。…

Ohcejohkaへ

13時までホテルに滞在し、すっかり定番となったSajos内のレストランČaijuでゆっくりランチを楽しんだ後、一昨日出逢った女性に紹介されたシルバージュエリー店Inarin Hopeaに立ち寄った。この店のジュエリー職人兼オーナーである男性の息子さんは日本に住んでいらっしゃるそうで、私が日本人だとわかると、店頭に立っておられた義理の息子さんがいろんな話をしてくださった。普段私はシルバージュエリーを身に着けることはないけれど、愉快な出逢いだったので、記念に小さなトナカイのペンダントを購入した。 16時45分、予約していたバスに乗ってウツヨキ(Utsjoki/Ohcejohka)へ向かう。乗客は、私の他には3人の女性たち(+ワンちゃん)のみで、バスの中はすいていた。 イナリからウツヨキまでは、フィンランドで最も長い国道である4号線(欧州自動車道路E75号線)をひたすら北上する。車窓を流れる風景が壮大さを増していく。途中、道中にあるこじんまりしたレストラン兼コテージで15分の休憩があった。ウツヨキの手前の小さなバス停で降りて行った老女性が、私に向かって英語で「この地でよいJuhannus…

3度目のJäniskoski

イナリに滞在する最後の夜。この日も白夜の空がとてもきれいだったので、21時頃からまたJuutua川沿いのハイキングルート(Juutuan Polku)を歩いて、Jäniskoski/Njuámmilcooskâs急流へ向かった。 途中、ふと足を止めてじっと佇んでいたら、不意に穏やかな風が吹き抜けて、目の前の白樺の木の枝を揺らした。まるで風と木に話しかけられたかのように感じて、思わず私も語りかけた。するとまたそよ風が吹き、木の枝葉が静かに揺れた。そんなやり取りを何度も繰り返した。 0:00 /0:15 1× Jäniskoski/Njuámmilcooskâs、22時30分 0:00 /0:33 1× ここにはきっとまた帰ってくる。心鎮まる不思議な場所。 夜の太陽に照らされた世界は少しあの世じみている。…