有明川という大きな川が流れる都市を裸足で歩く夢
夢の中でわたしは裸足で歩いていた。いつものようにそこは旅先で、東京という設定だったが、地上にある東京とはかなり異なる都市だった。わたしはまたもや“仕事”のためにそこを訪れていたらしい。多くの住宅やビルが建ち並ぶ中に、そこだけ時代が随分古く感じられる静かな庭園があり、わたしはその中を通路に沿って歩いた。 奥の方へ進むと、ひときわ鬱蒼と木々が繁った仄暗い場所の左側に煉瓦造りの古い門があり、その向こうには古い建物が建っていた。そこは明治時代の大蔵省の庁舎ということだったが、既に閉館時間を過ぎていて中には入れなかった。庭園の通路の突き当りにも古い門があったが、そこは既に閉まっていた。 わたしは再び入口方面に向かって歩いた。満開を迎えた桜の木々が陽光の中に輝いていてとても綺麗だった。複数の若者たちがベンチに座ってにぎやかに喋っていた。また、数十人の若者で満載になったバスが庭園の外の道路を通り抜けて行った。若者たちは、各々の今後の進路希望について語っていた。 わたしは、もし今の自分が彼らと同じ年齢だったならどんな進路を選んだだろうと考えた。そして、やはり同じ大学に進学した後、すぐに日本から出…