家族という重荷、財産という負荷

既に亡くなっている祖父・祖母の名義のままになっている土地の相続登記のため、相続人である伯父とわたしとで遺産分割協議書を作成しなければならないのだが、伯父は認知症を発症しているため意思能力の有無が微妙で、手続きに時間がかかっている。 わたしはこの財産を全て放棄し、伯父が全ての土地を相続することで合意しているが、それでも、伯父に意思能力が無いと認められた場合には、伯父に法的に有効な代理人を立てる必要が生じる可能性がある。しかし、伯父の妻と子である伯母と従弟はそれを避けたいようだ。とはいえ、このままでは事が進まないので、まずは法律の専門家にすぐ相談するよう従弟を促した。 今年4月1日から法律が改正され、所有者が死亡した土地や建物の相続登記(名義変更)が義務化された。この義務は、2024年4月1日以前に所有者が亡くなり、相続人名義に変更されていない土地や建物も対象となる。しかも、名義変更を怠った場合は10万円以下の過料に処されるという罰則付きだ。 元はと言えば、わたしの母(と彼女の内縁の夫)が、同じ土地上に建つ同じ建物内で同居してきた伯父・伯母たちとの対立するのを避けるために、土地を既に…

無題

絵の完成は、いつも自分で決めるのではなく、手を止めて描き終えなければならない時がやってくる。その後、あちこち修正したくなることもよくあるが、必要以上に手を加えないようにしている。慎重に描き上げることと、執着することは、まったく別のことだ。 特に描き終えてすぐの時には、あっちもこっちも納得がいかず、ようやく自分の見誤りや思い違いに気づくこともある。そうして、自分の目と手の思い込みに気づかされては、まだまだ修練が足りないと実感する。 たとえ納得ができなくても、描き終えた絵は修練の過程として形に残す。そうすると、それを見た人たちが、わたし自身だけでは得られなかった印象や感覚を教えてくれる。そして、そこにはいつも驚きがある。…

再会

プラハで用事を終えた後、4~5年ぶりに友人と会った。当然ながら話題が尽きず、あっという間に2時間が過ぎた。互いの親の看取りとその後の大変さ、彼女のお子さんの成長、仕事のこと、家のこと、身体のこと等等、現実生活のあれこれを報告しあい、今後の人生や精神世界の話題でようやく盛り上がってきたあたりで、今日は時間切れ。 気のおけない友人を相手に、現状と、今に至るまでの経緯と決意を日本語で話したことで、自らの腹のくくりを確認した。わたしも、そしておそらく彼女も、今回の人生の本題はまだまだこれから。そんなことを話している間、「クエスト」という言葉が頭の中で何度も響いた。…

足のむくみと海王星の逆行

一週間ほど前から、長らく履いているメディカルブランドのルームシューズがきつく感じられ、足も脚もあまりにだるくて立っても座っても辛かったのだが、一昨日、足が非常にむくんでいることに気がついた。足首が一回り以上も太くなっていて、いつもははっきり見えていたはずの足の甲の筋や血管も、くるぶしの骨も、すっかり隠れてしまっていた。 これまで足のむくみを実感したことは滅多になかったので、初めて見る自分の足の状態に驚いた。長らく足のケアなどしていなかったが、あわてて念入りにマッサージをし、ツボを刺激して、いつもよりさらに多くの水を飲むようにしてみたら、今日にはほぼ元の状態に戻った。 思えば、日本にいた頃は、風呂の中や布団の中で、足を揉んだり、足の甲の筋を押して広げたりと、日常的に足のケアをしていた。しかし、チェコで生活をするようになってからは、風呂場がない(バスタブかシャワーブースしかない)のと、床に直に座る習慣がないこともあって、足のケアなど忘れてしまっていた。 PMSの症状にもむくみはあるようだが、更年期には更にむくみが出やすくなるようだ。今後は、意識的に足および脚のケアを続けていこうと思う…

大きな決断

昨日、これまでの人生の中でも最大級の決断を下した。4月半ばに突然やってきたこの件のため、ここ数ヶ月間は本当に大変だったが、熟考と検討を重ねた結果、それしかないと決心した。 この件による精神的ストレスと忙しさ(+暑さによる疲労)のため、丸一ヶ月間絵を描くことができなかった。実際に着手するのはこれからなので、精神的重圧はまだしばらく続きそうだが、そう遠くないうちにまた絵を描ける状態に戻れるだろう。…

無題

これは今日に限ったことではないけれど、それでも今日は殊更に眠りから目覚めたくなかった。だが、肉体が生きている限り排泄も摂取も必要で、18時間眠りつづけた後いよいよあきらめて起きることにした。 4年前にCOVIDが現れてロックダウンが始まり、膵臓癌を患った母の治療を遠隔でサポートし、ようやく日本に行くことができて母を実家で看取り、膨大な量の物事を整理し、さくらをチェコへ連れてきて、地方都市に移住してしばし静かに暮らしていたが、母の納骨を終えてすぐにさくらが旅立ち、母のパートナーも亡くなり、日本の実家も手放した。大変だったな。 こう振り返ると、自分がすっかり疲れ果ててしまっているのも仕方ないと思える。うん、わたしは疲れたよ。しかし、今はまた別のあれこれに追われている。地上で固体として存在するだけのために、やらなければならないことがありすぎる。今年こそはせめて母方の遺産にまつわる手続きをすべて終わらせたい。…