アルシオン ー 高窓の外に2つの虹が並んで見えた夢、置き去りにされる夢

何もないしんとしたほの暗い空間で、高さ3メートルほどの位置にある前方の窓の向こうに、夕暮れ時と思われる赤く染まった空に2つの虹が横並びに現れているのを眺めていた。夢の中ですらとても印象的な光景だった。 その後、わたしは大きな駅の中にぽつんと佇むキオスクで、パッケージに虹が描かれたチョコレート菓子を買おうとしていた。そのパッケージは限定品のようだった。巨大な駅の中にはその売店以外何もなく、若い女性客が一人わたしと同じように買い物をしていたが、他に人の姿は見当たらなかった。 さらにその後には、「誰もが去っていく、いつも置き去りにされる」という内容の孤独な夢を見たが、詳細は覚えていない。はっと目が覚めた瞬間は息切れを感じるほどドキドキしていた。そうしてしばらくじっとしているうちに、すべてが虚無感に覆い尽くされた。 今日見た夢はどれもアルシオンに関連していると感じる。あの窓を壊す/壊される必要がある。何もない箱の中で上方にある窓から見える2つの虹を眺めたままいるのではなく、箱から脱出して虹そのものへたどり着かねばならない。…

絵を描く夢、フォーマルハウトにいる分身、自我をいくつかの恒星に置くこと

夢の中で絵を描いていた。抽象的で具体的には説明しがたい絵だった。あちらとこちらを繋げるような、異なる2つのものの中に共通点を見つけて融合させるような絵で、わたしはその手法も意図もよく理解していた。青系の絵の具をたくさん使い、グラデーションを描き、部分的にコラージュも用いていた。わたしは、それが夢であることをわかっていて、筆や刷毛を動かしながら「そうか、こうすればいいんだ、このやり方でやってみよう、この絵を実際に描いて(作って)みよう」と思っていた。 旅先で、路地の奥に建つ古いビルの中にある隠れ家のようなカフェを訪れる夢も見た。カフェの中は数階建てになっていて、分厚い絨毯が敷きつめられた薄暗い室内には、無数のアンティーク家具や調度品、美術品が所狭しと並んでいた。ちょっと埃っぽい、だけれども不思議と落ち着く魅力的な空間だった。わたしは螺旋階段を昇って上階へ向かった。そこには互いによく知る女性がいて、にこやかにわたしを迎えてくれた。彼女はそのカフェの主のようだった。 昨夜はアルシオンのことを思いながら横になり、眠りにつく前にはフォーマルハウトの名が頭に浮かんでいた。他にもいくつかまるで異…

小型飛行機で離陸し、円形の虹を見る夢

小型飛行機で一般道路を走行した後、開けた場所で離陸し、知らない街の上空を飛び回る夢を見た。パイロットは男性で、2人の補佐役の女性と、女性の乗客が一人同乗していた。途中、空に大きな円形の虹が出ていたのを覚えている。わたしは飛行機の中からと地上からの2つの視界を同時に見ていた。 地上から見ると飛行機はかなり高いところを飛んでいた。丘の上にある集合住宅の庭にはたくさんの空のベビーカーが鎖に繋がれていた。赤ちゃんたちや親たちはベビーカーを置いてどこかへ行ったようだった。 飛行機の中からは地上に近いところを飛んでいるように見えた。補佐役の2人の女性が両翼の上に立ち、逆立ちをしたり、横向けに体を開いたりと笑顔で自由に動き回っていた。飛行機の中は思いのほか広く、クッション性のあるカバーが敷き詰められていて横になっても快適だった。…

ベッドで寝ている母の洗濯物を整理する夢

二度寝をしたら、久しぶりに夢の中で母に会った。 建て替えられる前の昔の実家の2階にあった母の部屋に入ると、母がベッドで眠っていた。わたしは彼女がそこにいるとは思わなかったので少し驚いた。部屋の中には洗濯物が散らかっていて、テレビと電灯がついたままになっていた。わたしは、散らばった衣類の中から、洗濯済と思われるものと、まだ洗濯されていないものとを分けていった。母のパートナーが作って取り付けたと思われる室内干し用の竿やラックにも、いくつかの衣類が掛けてあり、一部は脱いだままのようだった。脱ぎ捨てられていたブラウスは皺にならないよう広げた。まだ湿っているスウェットパンツ2つを窓の外に干そうとしたが、雨が降っていた。仕方ないので室内に干そうと広げたところ、パンツの中からぽとりと濡れた使い捨てカイロが落ちた。さらに両裾にもカイロが貼り付いたままになっていたので剥がしたら、ずっしりと重かったパンツはすっかり軽くなった。 ベッドの中で「疲れた…もう嫌だ…」という様相で寝ている母に、いつこの部屋に戻ってきたのかと尋ねたら、「〇〇さんたちの〇〇の後」というようなことを言っていた。どうやら誰かの要望に…

知らない旅先の駐車場で

夢の中で知らない旅先にいた。日没後の街を歩いて駐車場へ向かった。わたしは既にそこを何度も訪れており、車も持っていた。2台並んだ車に荷物を詰めている人たちがいて、そのひとつを自分の車だと勘違いして近づいたわたしを、駐車場の管理人が制止した。よく見ればわたしの車は左側に停まっていた。 駐車場にはたくさんの写真が飾られていて、わたしは頭上に並んだそれらを見上げながら「ああ、あの時の写真だね」と話した。すると、たくさんの女性たちがわたしの周囲に集まってきて、管理人たちはその様子を写真に撮り始めた。女性たちはみな笑顔でとても嬉しそうだった。…

高く聳えるマーブル柄の山の上で「誰もがあなたのことを知っている」と言われる夢

夢の中で、山に向かっていた。何かしらの乗り物を運転して高速でカーブを曲がりきった後、角を右に曲がった時にはわたしは歩いていた。道の脇ではベルトコンベアのようなもので食材が山の上へと運ばれていた。角を曲がる前に見たのは大量のキャベツだったが、角を曲がるとバナナに入れ替わっていた。 前方には薄茶色からベージュそして白のグラデーションを描く高い山が聳え立っていた。山肌はマーブル模様のようだったかもしれない。空の色も淡く、風景全体がまるで絵画のように美しかった。 次の場面ではわたしは山の上にいた。そこには学校のような研究所のような巨大な施設があり、たくさんの人々が働いていた。わたしはそこで授業か何かに参加するようだった。手首の腕時計を見ると針が止まっており、スマホも見当たらないので、時間が分からなかったが、特に困らないなと思っていた。 いくつかある建物のひとつは巨大な食堂と売店になっていて、わたしはそこで朝食を買うことにした。売店でジュースを選んでいると、知らない女性がにこにこしながら近づいてきて、「誰もがあなたのことを知っている、あなたは着物を最も美しく着こなす人として知られていますよ…

夢の中で死者に会い、死者に尋ね、死者から受け取る

"Painters —to speak only of them— being dead and buried, speak to a following generation or to several following generations through their works. [..] In the life of the painter, death may perhaps not be the most difficult thing."— Vincent van Gogh 以前、ある音楽家が、音楽を演奏するのは死者との共同作業なのだと書いていたのを思い出す。彼はさらに、それを「暗喩ではない」と書いていた。…

紫色のマカロンに似た菓子、夢にはよく死者が現れる

身体の調子が優れない時には地上の現実を離れる度合いはより高まる。この数日間はまたとにかくよく眠ってひたすら夢を見ていた。目が覚めても書きとめる間もなくふたたび眠りに落ちることを繰り返したので、実にたくさんの夢を見たものの、その多くは内容を忘れてしまった。 ある夢の中で、わたしはVとともにまったく知らない場所に住んでいた。その場所はかなり高い位置にあるようで、窓の外には空が見えていて、地上からは随分離れていた気がする。そこにはまったく知らない女性もいた。夢の中では彼女はわたしたちの友人あるいは知人であるようだった。 Vが、白いホーローのコンロでミンチしたツナを焼いて小さなライスバーガーを作ってくれた。さらに、きれいな淡い紫色のマカロンに似たお菓子もあった。間にはホイップクリームのようなものが挟んであり、口に入れるとふわりと溶けて、とても美味しかった。Vは、わたしを驚かせるために内緒で買ってきたのだと言った。「おくだ」という店で買ったと聞いて、わたしはその店がどこにあるかを知っていると思っていた。 別の夢では、旅先で競技場のように広いレストランを訪ねていた。わたしはそこで、別の場所か…