パステル画家Catherine Hutterさんを訪ねて

カンカルに到着後すぐに、今回の旅の一番の目的である Catherine Hutterさん のギャラリー兼アトリエを訪ねた。 実際に間近で見る彼女の作品はあまりにすばらしく、言葉では言い尽くすことができない。どの絵もまさに異世界への扉であり、そこには永遠の時が流れ、止まらぬ変化があり、無限の生と死があった。 Catherine Hutterさんは思っていたとおりとても素敵な方で、たくさんお話をしてくださり、わたしは彼女の言葉に耳を傾けながらひたすら共振していた。お会いする前からわかっていたが、わたしはただ彼女の作品に惹かれただけではなく、彼女が見て、感じ、変容し、創り出そうとしている目には見えない“何か”に共振し、その彼女の眼差しと終わりなき専心に惹かれたのだった。 彼女からは、わたしの絵に関して、あまりに光栄すぎてしどろもどろになってしまうほどの褒め言葉をもらった。そして、「次はぜひ一緒に絵を描きましょう。わたしの仲間の画家たちも呼んで、みんなで描きましょう。」と言ってもらった。わたしは必ずまた彼女に会いに来るし、この地を何度も訪れるだろう。 最後に、わたしが彼女の名を知るきっ…

描くのは愉快か苦痛か

ほんの数年前の自分に「何年後かに突然絵を描きはじめて、やがては毎日描いているよ」と言っても、当時のわたしは「そんなはずないよ」と思っただろう。 描くのが楽しくて描きたくてたまらずに描いているというよりは、毎度説明しがたい苦痛を覚えるのだが描かずにはいられないので描きはじめる。ひたすら描くことでしか磨けないし、描き続けることでしか本当に描くべきものは出てこないので、観念して描いている。 とはいえ、描きはじめると無心になって時を忘れている。最近は自覚的に手を止めて、時間と距離を置いて何度も眺め直しながら描き進めるようにしている。以前のように過集中した後に寝込んでしまうようなことはなくなった。…