苦戦と発見の繰り返し

海、特に波打ち際のある風景を描くたびに、自分が波の構造を十分に理解していないことに気づく。そもそも海を存分に眺めたことがないのだから無理もない。海をじっくり眺めに行きたい。さまざま季節、時間、天気の海を観察したい。 数日前から描いている絵の海と波飛沫がどこか不自然に感じられて、描いては修正し、消しては重ねてを繰り返すうちに、まったく違うことを試したくなり、ふと濃い紫色を使ってみたらしっくりきた。違和感を払拭するのに苦心すると、絵の進行は遅くなるが、いつもこうした発見に行きつくのがおもしろい。 海にも空にも、思っているよりもずっと多くの緑と紫が潜んでいる。 後になって、緑と紫の油絵具を混ぜて青い海と空を描くYou tube動画を見つけた。…

能登島の海の水

2022年7月に訪れた能登島の海の水を描いたのはこれで4枚目だが、まだまだ描きたい。 同じ写真を切ったり大きくしたりしては何枚も描きたくなる。 描くことそのものよりも、何を描くかを決めることのほうが難しく、いつもそれに時間がかかる。 描き始めたら、仕上がるまでひたすら描くだけなのだが。…

"Daydream" - The shore in Cancale, 2023

"Daydream" - The shore in Cancale The shore where I stood in a daydream that I had in the metro in Tokyo nine or ten years ago, and where I had been drawing in a dream two years ago, even though I had not yet started drawing. The…

The Shore in Cancale, 2023

久しぶりに青空が広がり、短い時間ではあったが、明るい自然光の中で絵を描くことができた。Pastels Girault のパステルを使うと描く絵が明らかに変わる。今日は Catherine Hutterさんからもらった紙(メーカーを聞き忘れたが、一般向けには市販されていないと聞いた)を初めて使ってみた。みるみるうちにパステルが削られて小さくなるけれど、驚くほどに色が鮮やかに載る。描いていてとにかく愉快だ。 2年前の今日、わたしはこんな夢を見たようだ。すっかり忘れていたけれど、Facebookが教えてくれた。 夢の中で絵を描いていた。以前オーラソーマを教わった女性の元に、幼友達を含む女性二人が集まって何かをしていた。わたしはVとさくらとともにその場所を訪ね、そこで絵を描くことになった。「さて、何を描こう」と思いながら紙を前にしたら、手が勝手に海の絵を描き始めた。青系の色のみで描いていた気がする。すーっと水平線を描き、さっさっと手を横に動かして漣を描写していた。水平線の向こうにはモン・サン=ミシェルに似た建物のシルエットが小さく描かれた。自分ではないものによって手を動かされているかの…

Pastels

10月初旬以来初めてやっと少し絵を描くことができた。 9日前に日本から戻った後も、溜まっていた仕事や用事、荷解き、洗濯、片付けなどに追われていた。そして、週末にはまたひたすら眠り、重い疲労からも回復し、机の上を片付けて、今日ようやくまた描き始めることができた。 やっと10月にブルターニュで購入したPastels Giraultのパステルで絵を描き始めることができた。Catherine Hutterさんのセレクション "Rivages" の50色。美しい発色、絶妙な色あい、見事な質感。これを使って描くのはとにかく愉快だ。…