悠久
ある歌に詠まれた夜空をいつかどこかで見たことがあるような気がして、するとそこに果てしない星空が広がって、自分が消滅してただ夜空になった。 外にあるものは内にあるもの。肉体を飛び出しはるか遠くへ至りつつ、裡にある悠久を眺めている。わたしとはひとときの名と肉体を与えられた‘此れ’のことではなく、あの悠久こそがわたしだ。 そして、あらゆる星は曾ての記憶。…
ある歌に詠まれた夜空をいつかどこかで見たことがあるような気がして、するとそこに果てしない星空が広がって、自分が消滅してただ夜空になった。 外にあるものは内にあるもの。肉体を飛び出しはるか遠くへ至りつつ、裡にある悠久を眺めている。わたしとはひとときの名と肉体を与えられた‘此れ’のことではなく、あの悠久こそがわたしだ。 そして、あらゆる星は曾ての記憶。…
夢の中で大型バスに乗って移動していた。道路には他にもたくさんの車やバスが走行していた。わたしが乗っていたバスと同じような大きさのバスが並んで走行していたが、渋滞が解消したあたりで2台は異なる方向に向かって加速した。わたしが乗っていたバスは右方向のよくすいている道へ向かった。 場面が変わり、わたしは急勾配の坂道を登っていた。そこは山のようで、赤っぽい土の上に草が生え、ところどころ木々も茂っていた。並んで歩いていた古い知人のような感じがする女性が「もしも先々何かしらの理由で世話ができなくなる可能性も考慮するならどんな犬を飼うのがいいか」と尋ねてきた。わたしは「小型犬の方が誰かに引き取ってもらいやすいのではないか」と答えた。 かなり登ったと思われるあたりで、突然住居(あるいは住居跡)のようなものがいくつも見えてきた。それらはカッパドキアの洞窟住居を極度に低くしたような造りで、木のドアが設えてあった。岩肌も木材も乾燥して白っぽくなっていた。わたしは「ここはホビット族の集落なのかもしれない」と思っていた。 このあたりで、大音量で音楽を流しながら歩く人が窓のすぐ下を通ったようで、うるさくて半…
すきとおるからだをいくつものいろがすりぬけていくような春の日 かたるほどのことなどまるでないと知る生誕と死去の間のハイフン(void) 乱反射する おと ひかり まぼろしもうつつもすべて水が見る夢…
花は散り人は去れどもわが裡の色 あざやかに回帰する 春 SNSのタイムラインに日本の各地で撮られた桜の写真が流れてくる。満開の桜の花の下、さくらを連れた母の後ろ姿を見ながら中濠の周りを歩いた時の光景をふと思い出す。あの時わたしは「いつかこの眺めを懐かしく思い出すだろう」と思っていた。あれは、わたしがチェコへ移住する少し前、20数年ぶりに母とともに暮らした短い日々の中の記憶。 Photos of cherry blossoms from various places in Japan appear on the social networking timelines. It reminds me of the time when I walked along the Central Moat of Castle under the cherry blossoms in full bloom, looking…
Sakura, Sakura, April 2022 6x6 Driftwood Pinhole Camera Fomapan 100…
夢の中でわたしはまた旅先にいて、夢の中だけの知人の家に宿泊していた。周囲には彼の家族や、わたしの同行者らしい人物もいた。古い木造家屋の縁側から見える景色は美しく、わたしは「またここへ来たい、次は春に来れたらいいな」というようなことを言った。すると家の主の男性は少し驚いた様子で嬉しそうにこちらを見上げた。 わたしは彼に「ここで生まれ育ったのか」と尋ねた。彼は「生まれたのはここだが、ここから2州分北にあるFujitaという地で育った」と答えた。すると、宙に浮かぶホログラムのように地図が現れ、おそらく北アメリカと思われるあたりにFujitaという地名を検索、発見していた。それと同時に埼玉県あたりのイメージが浮かび、わたしは「多分そこは以前訪れたことがある」と思っていた。 家主が「このあたりにはオオカミがいる」というようなことを言い、わたしは「知っています、夜にオオカミの声が聞こえたし、わたしが住んでいるところにも野生のオオカミがいるので気配がわかります」と話すと、彼はまた少し驚いた様子で嬉しそうにこちらを見ていた。 夢にFujitaという名が現れたのは初めてだ。しかし、藤田はわたし…
Sun Glitter, April 2022 6x6 Driftwood Pinhole Camera Fomapan 100 …
今朝の夢の中では、わたしは車のような乗り物を運転していた。夢ではよくあることだが、その乗り物は地面を走るのではなく、空中に浮かんだ状態で、滑るように高速移動していた。ハンドルのようなものはあった気もするが、手足で操作する必要はなく、頭の中で意図すればその通りに動いた。 わたしはよく知っている(実際にはまったく知らない)高速道路のような広い道を移動していたが、ある地点で、これまで使ったことのない下道へ降りることになった。その時点では姿は見えていなかったが、乗り物には女性が同乗していて、彼女の用事のためにどこかへ向かわなければならないようだった。 どこに向かっているのかわからないまま、建物や商店が疎らに建ち並ぶ道を進んでいくと、突き当たりに巨大な建物があった。それは旧共産圏によくある集合住宅のような建築物で、ずいぶん荒んでいるように見えたが、中にはかなりたくさんの人が働いている/生活しているようだった。 わたしが運んでいた女性は、全面にスパンコールが縫いつけられているかように光る黒いスイムスーツのような衣装を身につけていて、その建物やそこにいる人々とはかけ離れた姿をしていた。しかし、…