By
R. Rorýs
on
母と母のパートナーが暮らしていたこの家では、上階から伯父(わたしの母の兄)が喚く声が聞こえたり、力任せにドアを閉めたりモノを乱暴に投げたりする音が響いて、天井と壁が振動することがよくある。伯父は普段は温厚だが、突然キレてモノに当たり散らす性質があり、認知症の進行と同時にその頻度も高くなったらしい。わたしの母がまだ生きていた頃には、彼は「(この家を)出ていくと言ったのに出ていかないのか!」と怒鳴り込んできたこともあったと聞いた。
頻繁にそうした音や声を耳にするのも、わたしにとっては大きなストレスになっている。わたしの母は、幼少期から思春期にかけてよく伯父(兄)から暴力をふるわれたと聞いたことがある。そんな母もまた、昔は頻繁に感情を爆発させ、わたしがこの家を出るまで幾度となくわたしに肉体的・精神的暴力をふるった。そんな経緯もあり、上階から怒号や暴力的な騒音が響いてくると、つい身体がすくんでしまう。これがトラウマなのだなあと、自分の身体の反応を認識しながら思う。
わたしにとって、この家と家系との繋がりを完全に絶って自由になることは、そうしたトラウマから自由になるプロセスでもある。わたしは…