Cancaleの海

Pastels Girault を通して知った素晴らしい画家 Catherine Hutterさん のギャラリーを訪れるため、フランスはブルターニュ地方、モン・サン=ミッシェル湾に面する小さな港町カンカルに来ている。 ここの海は見たことのない色をしている。この辺りは「エメラルドコースト」と呼ばれていて、海はまさに緑と青が絶妙に混ざりあったとても美しい色をしているが、それだけでなく、まるで内側からうっすらと発光しているかのように銀色を帯びて、しかもその色は刻一刻と変化していく。ここはまた、欧州で最も干満差が大きい海でもある。常に変化し続ける水と空、そして風の音と鳥たちの声。どれだけ眺めていても飽きそうにない。…

思いもよらないギフト

ポーランドの画家 Malgorzata Majさん からすごいギフトが届いた!なんと三角形△!わたしが以前彼女に話した幼少期の記憶(大きな光る飛行物体との遭遇)からインスピレーションを受けて描いた絵だそうだ。形にも色にもわたしの感覚と物語に繋がりが感じられてとても嬉しい。 彼女とはInstagramを通じて出会い、今月初旬に彼女がプラハを訪れていた際に初めて顔をあわせた。出会った頃から何かと共通の話題が多く、互いの体験や内的世界について、また宇宙や夢や異次元についてなど時々メッセージを交わしている。わたしが彼女の作品や体験談に触発されて描いた絵もある。…

日食はレールの切り替え装置

今月は普段よりも多くの人々と言葉を交わしている。人の話を聞いては考えを述べる機会が続く。そうして話を聞いていると、先送りにしてきたことや、手をつけられずにきたことに、向き合わざるを得なくなったり、取り組まざるを得なくなったりしているケースが多い。 ショッキングな出来事が続いている人もいれば、まったく異なる世界を目にして価値観に変容が起きている人もいる。冥王星の動きと位置や、他天体との配置だけでなく、やはり蝕の時期なのだなと感じる。下なるものは上なるもののごとく、上なるものは下なるもののごとし。そして、世界に見ている大変は、個の中でも起きている。大変に苦しむのか、それとも流れに乗れるかは、自我意識の在り方あるいは置きどころ次第だろう。 日食は上位の意識が介入するポイントであり、タイムラインの方向を変えるレール切り替え装置だ。上位の意識が関与することで、下位の機械的コースは変わる。自己同一化の中で眠りこむのではなく、しっかり目を覚まして意志を働かせ、日食にあわせて飛び込めば、その後は違う世界になる。…

隷属するのか、それとも意図を打ち出すか

たとえば「これが好きだからこれを食べる」というのは単に肉体の欲求に隷属しているだけであって、それは意志ではない。そもそもそうした肉体の欲求すら、過去の経験や外部から影響されインプットされたプログラムであることも多い。「なぜかこうなってしまう」とか「なかなか変われない」とかというのも、そうした自身の隷属性・機械性に無自覚なだけで、はっきり言えば怠惰だということだ。 自分の隷属性・機械性とはいわば癖であり、こうした癖は、たとえば病気をはじめとするさまざまなトラブルや、“なぜかしら”同じパターンを繰り返す原因になっている。延いてはそれは人格の型となり、人生の型になり、業となる。 自分を作る・自分を持つとは、自らの隷属性・機械性を認識し、そこから目を覚ますということだ。そうでなければ、意志を持ち、意図を打ち出すことなど不可能だろう。意図を持つ者にはかなわない。肉体を含むあらゆる環境にただ流されるのか、それとも環境を従えるかも、意図次第だ。意図を持つ者にはかなわない。環境に振り回されて埋没することなく、意図を打ち出すことができれあば、むしろ環境の方がついてくる。 とはいえ、隷属したまま・機…

海のそばのアトリエとその主である老画家は

夢の中で海に向かっていた。やがてターコイズブルーの海原が現れ、その中に伸びる大きな長い桟橋を進むと、巨大な船が停泊しているのが見えた。そのうち、海のすぐ側にあるらしい小屋のような場所にたどり着いた。そこははじめは古い木造の小屋だったが、気づけば老画家の家かあるいはアトリエになっていた。小さいながらもよく整えられた、あたたかみのある居心地のいい空間だった。 そこにはたくさんの絵画作品が保管されていた。さらにはいくつもの宝飾品がきれいに陳列され、保管されていた。わたしは自分が身につけていた宝石を外し、テーブルの上のジュエリーケースの空いたスペースに並べた。どうやらわたしはそこに宿泊するのかもしれなかった。 その後場面は変わり、わたしは友人に日記を書くことを勧めていた。「日記を書くことは自分の感覚や感情、考えを認識し、整理するいい方法だ。つまり自分を知るための訓練になる。自分が何をしたいのかを知るにはまず自分を知る必要がある。」というようなことを彼女に向かって話していた。 夢の中で訪れた空間には主である老画家の姿はなかった。思い返すと、わたし自身がその老画家だった気もする。あれは海王星…

父のこと

父を担当しているケアマネージャーさんから突然電話がかかってきた。父が緊急搬送されて入院、転院したが、手の施しようがないと言われたらしいこと、認知症が進んで金銭管理ができなくなったため最近補助人が付いたこと、父の妻とはなかなか連絡つかず、彼女が父に関わるのを拒否していること等の報告を受けた。 父はこのまま亡くなる可能性もあるので、もしわたしが彼に会っておきたいならば急いだほうがいいかもしれないとのことだった。とはいえ、彼女自身も直接父の様子を見たわけではないので詳細はわからないという。補助人の連絡先も教えてもらったので、必要であれば直接彼女に電話をすることはできる。 ケアマネージャーさんとの面会と各種契約内容の確認も兼ねて、高齢者用集合住宅に入居したばかりの父を訪ねたのは昨年11月。やはりいくつか問題が生じていたので、施設の責任者も交えて話し合い、父の妻にも確認を取って、状況は一旦落ち着いた。しかし、わたしはそれ以降の変化は何も知らない。昨年12月以降、何度か父に電話をかけたが、彼は電話に出なかった。どうやら認知症が進んで携帯電話の扱いが困難になっていたらしい。ケアマネージャーさんに…