遺品整理はとにかく疲れる

母の遺品整理は3年前に大半を終わらせてはいたが、靴や衣類がまだまだ出てきた。母のパートナーの遺品もあわせると、靴と肌着類だけで大きなゴミ袋16個分にもなった。他者が残したもの(溜め込んでいたもの)の後始末は体力も気力もひたすら消耗する。 そして、遺品はまだ残っている。それらの整理と処分に加え、さまざまな手続きや対応しなければならない事柄もまだまだある。 普段の生活とはまるで異なる場所と環境に滞在しながら、同時にその空間を整理しなければならないのは、実に疲れる。さらに、この家は二世帯住宅になっていることもあり、完全に安心して休めるプライベートな空間と時間を確保しにくい。そんな事情もあり、最終週はホテル滞在に切り替えた。ホテルから通って作業をする方が心身もいくらか休まる気がする。 足腰に疲労を感じて身体が重い。うっすらと頭痛もする。今日はチェコでは「自由・民主主義闘争記念日」。祝日なので、当然ながらチェコの同僚たちは休みだし、わたしも今日はオフ日とする。明日以降はまた複数の手続きや対応が予定されているので、休める時に休もう。…

幼友達に助けられて

今回の日本滞在中は、先月チェコにやってきた幼友達があらゆる面でたくさん動いてくれて、大いに助けられている。今日も彼女はわたしの夕飯に付き合ってくれた後、大きなゴミ袋17個分の遺品処分を手伝ってくれた。 その後、彼女とともにコーヒーを飲みながら、わたしがどのような覚悟の末にここまでの変化を辿ってきたかをふたたび語り、絵を描くことについて、そしてわたしが何のために生きているのかを話した。そして、彼女の話を聴き、彼女を励まし、わくわくするビジョンを共有し、そうして二人でたくさん笑った。さらに、彼女の前で、先日ブルターニュのカンカルにあるCatherine Hutterさんのギャラリーで購入したPastels Giraultのパステルセットをふたたび開き、実際に少し描いて見せた。 久しぶりに触れるソフトパステルの感触は心地よく、ほんの少し色を載せて遊ぶだけで心身にエネルギーが漲る気がした。パステルセットをスーツケースに入れて来てよかった。…

うれしい提案

ブルターニュからチェコに戻った日の帰宅途中、さくらを通じて親しくなった隣人と路上でばったり出逢った。わたしが「あるすばらしい画家に会うためにブルターニュを訪れて、先ほど戻ってきたところなんだ」と話したところ、彼が働いているカフェで絵を展示してみてはどうかという提案をもらった。来年にはぜひ展示ができるよう、たくさん描いていこう。…

そしてまた日本へ

わたしがブルターニュに滞在していた間に、母のパートナーが他界した。数日後には日本へ向かうため、荷ほどきと洗濯、整理をしながら、同時に荷造りをしている。タスクをリストアップして計画を立て、日本にいる間にしか行えない手続きのために必要なものを忘れないよう、しっかり確認しつつ。 先月は、実父の後見人からも連絡があり、彼の現状について報告を受けた。父とはそもそも共に暮らした記憶もほとんどないし、わたしにはもう彼に対して思い残すことはないが、それでも戸籍上の親子ではあるので、彼に何かがあればわたしにもやらなければならない手続きが生じる。 これまでと同様、わたしが日本へ行くのは何かしら「やらなければならないこと」がいくつもある時だ。だからいつも出発前は気が重い。今回も日本滞在中はとにかく忙しいだろうと予測はしている。しかし、疲労とストレスで倒れないためにも、散歩をしたり、気の置けない友人と話をしたり、絵を描いたりする時間は作りたい。 10月前半に幼友達と彼女のお母さんがチェコに来て以降、まったく絵を描くことができていない。先日ブルターニュで購入したばかりのパステルセットを持参しようと考えてい…

Calling

カンカル、そしてサン=マロ滞在中は、土地に招かれているかのように感じることが多かった。どこに行っても快適で、あらゆるタイミングが完璧で、天気まで味方していた。人と人とが引き寄せあい、出逢うべくして出逢うように、土地と人もまた引き寄せあう。 8年前に思いもよらぬ流れに乗ってチェコに辿り着いた時とその後も、まさにそうだった。まるで土地がすべてを用意してくれるかのように、次々と出逢いがあり、思わぬ扉が開き、あっという間に暮らすことになった。…

Saint-Malo - Day 2, 渚にて

渚は愉しい。水、砂、岩、石、雲、空、植物、動物、さまざまな形、色、そして光と影。絶え間ない変化にただただ見入っていた。…