「渡りに船」として
目を覚ますと、伯母から「和ダンスの着物の整理はどうなった?」というショートメッセージが届いていた。わたしが日本に到着した直後から、彼女は何度か、わたしの母が遺した多くの着物の中から自分の娘に好きなものを選ばせてやってほしいと言ってきた。その度にわたしは「大量の遺品整理や事務手続きがある中、着物を出して広げてみせ、それからまた整理するのはあまりに大変なので、わたしが立ち去ったら好きなだけ選んで後は捨ててください」と答えた。 祖母の仏壇の処分についても、彼女はわたしに押し付けようとしてきた。わたしは「遺産分割も一切要求しないし、すべてを譲るので、祖母の代の仏壇の処分はあなたがたでやってください」と答えたが、そうすると彼女はまた、家も土地も既に自分たちのものだという主張を繰り返して、論点をずらそうとした。 建築費用も修繕費も半分以上を支払ってきた母と母のパートナーに対し、「この家の権利者はわたしたちだから早く出ていけ」と言い続けてきた彼女たちは、遺品の中から自分たちが欲しいものだけを残して、後の処分をわたしに押し付けようとし、人の時間と労力と金銭を搾取しようとする。 しかも、彼女たちは…