大きな絵を描いていた夢

まだ実際に絵を描きはじめる前、自分が画家(あるいはなぜか絵の描き方を知っている初心者)で、かなり大きな絵を描いている夢を何度も見た。当時はまさか自分が絵を描きはじめるとは想像もしていなかったので、面白なあと思っていた。腕を大きく動かして、ダイナミックに描いていた感覚は覚えている。 サーミランドのあまりに壮大な風景と静寂の中にしばらく身を置いてから戻ってきて、いずれは壁一面ぐらいの大きな絵を描きたいなと改めて思った。パステルで大作を描く人もいるし、必ずしも画材を変える必要はないのかもしれない。ただし、制作のための空間は必要になる。…

旅の跡

9日間ほぼ毎日10~20km歩いて山を登り続けたためか、旅から戻った後は脚の浮腫みがなかなかひかなかったのだけれど、今日になってようやく踝や足の甲の骨と血管が見えるぐらいにまで回復した。更年期で浮腫みやすくなっているのかもしれないが、今後山を登ったり長距離を歩いたりする時には、水分補給に気を付けようと思う。また、今回は普段からよく履いているトレッキングシューズを着用していたのだけれど、長距離を歩くためにはより相応しい靴を探す必要もある。 0:00 /0:24 1× サーミランドでは自然に誘われていくらでも歩ける気がした。…

サーミランドの余韻

これまでに経験したことのないほど壮大な風景と静寂に加え、一晩中太陽が沈むことなく明るかったため時間の感覚が狂ってしまい、まったく別の時空を旅してきたかのような不思議な感覚が残っている。実際にサーミランドに滞在したのは9日間だったが、まるで数ヶ月が経過したかのようだ。そして、まだ心はサーミランドを彷徨っている。 0:00 /0:28 1×…

ウツヨキで味わった静寂

過去に味わったことがないほどの静寂に満ちたウツヨキから、町とはいえどやはり静かなイヴァロを経由して、首都ヘルシンキへ移動すると、すべてのものが忙しなく感じられた。ヘルシンキですらそうだったので、プラハの街中を歩く(プラハ行のフライトで出逢った日本人女性をホテルまで案内した)のは苦痛に感じられるほどだった。あのあまりに壮大な自然、ただただ広々とした空間、そして静けさが、既に恋しい。 イヴァロ空港まで送ってくれたタクシーの運転手は、ラッピ州の州都であるロヴァニエミの大学を卒業後、街中での生活が苦痛に感じられてイヴァロへ戻ったのだと話してくれた。私自身、南ボヘミア州にある現在の町に越してからは、プラハではとても暮らせないと感じるようになったので、彼の言うことはわかる気がした。 イナリのカフェレストランで相席したことをきっかけに知り合った女性も、現在のヘルシンキでの生活に不自由はないけれど、子どもたちが独立したらサーミランドへ引っ越したいと話していたのを覚えている。 下の写真はウツヨキの村の中心部。とにかくどこも広々としていて、静かで、質素だった。…

Gallen-Kallelan Museo

ヘルシンキに到着後、プラハ行きのフライトを待つ間に、エスポーにあるAkseli Gallen-Kallela美術館を訪れた。以前から一度は訪ねたいと思っていたので、月曜日でも開館していることを知ってすぐに出向いた。Akseli Gallen-Kallelaが実際に暮らし、数々の作品を生んだ場所を訪ね、その気配を感じることができてとてもよかった。…

絵葉書を手渡す

今回のサーミランドへの旅にも、自分が描いた絵のポストカードを持参して、出会った人々に気に入ったものを選んでもらって手渡した。「一般的なお土産よりもずっとパーソナルなギフトだ」と言ってもらえて、嬉しかった。長々と自分について語るよりも、ずっといい自己紹介になる。 同じ風景画も、見る人によって想起されるものは異なるので、一人一人に選んでもらうのも楽しい。たとえばウツヨキでガイドをしてくれたTravel UtsjokiのPetraさんは、ボヘミアの夕焼け空を描いた絵を、「まるで極夜が明ける頃の空のようだ」と言って選んでくれた。…

Nähdään pian!

サーミランドに滞在していた9日間は雨に降られることはなく、むしろ、私がハイキングやサイクリングに出かけると、雲が晴れて青空が見えてくることが多かった。いよいよサーミランドを発つ日、空港へ向かうタクシーに乗り込んだ後、やっと雨が降りはじめた。まるで、サーミランドが、この地を離れなければならない私の気持ちに共振してくれたかのようだった。 バイバイ、サーミランド。 たくさんの素晴らしい出逢いと体験をありがとう。 またすぐに来るね。…