Transcend yourself

Transcend yourself

何であれ、やり続け、積み重ねていくことが重要なのは当然として、ただ漫然と機械のように繰り返しているだけでは何も生まれない。その過程で自ら気づき、自身の歪みや狭さを発見し、変化・変容していくこと、つまり自己想起し、自己を拡大していくことこそが重要なのではないかと、改めて思う。

それがセンチメンタリズムであれ、ノスタルジーであれ、小さな自己の機械的反応(自己同一化)の殻の中で繰り返される創作物には、時(命)が宿っておらず、破壊も再生も起こらなくて、残念だなと感じる。

反対に、おもしろいな、魅力的だなと感じる作品とは、作り手がそのような小さな自己の殻の外に自我を置いている/置こうとしていると言えるのかもしれない。そしてそれは、技術や技巧の優劣、モチーフの種類といった条件とはまったく別のことだ。

継続し積み重ねていく過程の中で、自己に何度も気づいては、自己想起と自己変容を繰り返していくことによってこそ、独自性は自然発生的に現れるのかもしれない。

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