自然の中へ

自然の中へ

夏に訪れる予定のラップランド(本当はサーミ・ランドあるいはSápmiと呼びたいが)では、まさに"wirderness"という表現がふさわしい北極圏の大自然を味わえる国立公園や自然保護区を歩きたいと思っている。今回わたしが訪れるあたりの山の標高はそう高くはないけれど、それでも片道10~15kmは歩くことになりそうなので、足馴しはしておきたい。レンタルバイクもあるようなので、マウンテンバイクで走るのもよさそうだ。

しばらくハイキングからは遠ざかっていたので、今年はチェコでもたくさん歩こうと思う。また、せっかく広範囲に渡ってサイクリングルートが整備されている南ボヘミアに暮らしているので、そろそろ自転車を入手して、Vítの実家があるTřeboňskoの辺りを走ってみたいとも思う。

わたしの母は昔から身体を動かすことが好きで、毎日のようにジムへ通い、毎週どこかへゴルフに出かけるだけでなく、50歳も半ばを過ぎてから登山まではじめた。当時、都会暮らしに浸かっていたわたしは、そんな母の様子を「元気だなあ」とただ眺めるだけだった。

40歳を過ぎてから思いもよらず移住したこの国で、初めて「近所への散策」に誘われた時、それがちょっとしたハイキングあるいはトレッキングだということに途中で気づいた。街歩きのつもりで出かけたわたしは思わず「舗装されていない道をこんなにたくさん歩くのなら、足を保護する靴が必要だったし、先に言ってほしかった」と愚痴をこぼしたのを覚えている。

この国の人たちはとにかくよく歩く。休みの日には自然の中へ出かけていく人も多い。そんなこの国で暮らしているうちに、いつしかわたしも手持ちの靴はスニーカーかトレッキングシューズばかりになった。

50歳を間近にして、WEBショップでトレッキング用の上着や装備を探しながら、ふと自分がまた少し母に似てきたような気がした。とはいえ、わたしは登山には興味はないけれど。10年前、まだ日本にいた頃、自分がこんな風に自然の中を歩いたり、自転車で走ったりしたいと思うようになるとは、想像していなかった。

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