家族という重荷、財産という負荷

家族という重荷、財産という負荷

既に亡くなっている祖父・祖母の名義のままになっている土地の相続登記のため、相続人である伯父とわたしとで遺産分割協議書を作成しなければならないのだが、伯父は認知症を発症しているため意思能力の有無が微妙で、手続きに時間がかかっている。

わたしはこの財産を全て放棄し、伯父が全ての土地を相続することで合意しているが、それでも、伯父に意思能力が無いと認められた場合には、伯父に法的に有効な代理人を立てる必要が生じる可能性がある。しかし、伯父の妻と子である伯母と従弟はそれを避けたいようだ。とはいえ、このままでは事が進まないので、まずは法律の専門家にすぐ相談するよう従弟を促した。

今年4月1日から法律が改正され、所有者が死亡した土地や建物の相続登記(名義変更)が義務化された。この義務は、2024年4月1日以前に所有者が亡くなり、相続人名義に変更されていない土地や建物も対象となる。しかも、名義変更を怠った場合は10万円以下の過料に処されるという罰則付きだ。

元はと言えば、わたしの母(と彼女の内縁の夫)が、同じ土地上に建つ同じ建物内で同居してきた伯父・伯母たちとの対立するのを避けるために、土地を既に亡くなった祖父・祖母の名義のまま放置し、わたしの代で処理させようとしたが故に、このような面倒な状況が生じている。

母が亡くなってからもうすぐ4年が過ぎようとしているが、わたしは未だ、母と彼女の内縁の夫が遺した物事の処理に追われている。とっととすべて放棄して自由になりたいが、法律がそれを許さない。まったく実に面倒だ。特に、土地や建物というのは、面倒なことこの上ない。

既に認知症が進行していると後見人を通して聞いている父がいずれ亡くなった時には、即座に弁護士あるいは司法書士に相談して、相続放棄をする決意がより強まった。彼の預金や土地がどれほど残ろうと関係ない。たとえ戸籍上は親子であっても、共に暮らしたことすらほとんどない人物の財産の処理など引き受けたくない。

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