色即是空 空即是色
ふと、先に旅立っていった者たちのことや、過去に通り過ぎたごくありふれた風景、実に何気ない感覚を思い返すたびに、やはりすべて幻だったとしか感じられず、形をして生きているというこの実存あるいは現実は、一瞬にして立ち消えるホログラムのようだと思う。…
ほんの数年前の自分に「何年後かに突然絵を描きはじめて、やがては毎日描いているよ」と言っても、当時のわたしは「そんなはずないよ」と思っただろう。 描くのが楽しくて描きたくてたまらずに描いているというよりは、毎度説明しがたい苦痛を覚えるのだが描かずにはいられないので描きはじめる。ひたすら描くことでしか磨けないし、描き続けることでしか本当に描くべきものは出てこないので、観念して描いている。 とはいえ、描きはじめると無心になって時を忘れている。最近は自覚的に手を止めて、時間と距離を置いて何度も眺め直しながら描き進めるようにしている。以前のように過集中した後に寝込んでしまうようなことはなくなった。…
今朝の夢。 わたしは大きなホテルの客室にいた。大型客船の中だったような気もする。そこは特別室らしく、一般通路に設置された隠し扉から階段を昇って辿り着くようになっていた。他にも数組の客が同じ階段を使って特別室に向かっていた。みな、いかにも裕福そうな身なりと佇まいだった。 100㎡はあろうかという客室には真っ白なシーツに覆われたふかふかのキングサイズベッドが二つ置かれていた。部屋中がふかふかした白いベッドとクッションで覆われてるような印象でもあった。そして、広々としたバルコニーからは大きな青い海を眺めることができた。 その客室にはわたしの他に某作家夫妻も滞在しているようだった。わたしは彼らにベッドを譲る方がいいかと思い、間仕切りの向こう側にある部屋で寝ることにした。 両引き戸を開くと、ベッドがある洋室とは雰囲気がまるで異なる畳敷きの広い和室があった。わたしは、あまりの気配の違いに少し戸惑った。その部屋はかなり使い古されているようで、畳には染みのようなものもあった。畳の上には仏壇前にあるような、あるいは座禅用のような座布団がぽつんと置かれていた。わたしは、ベッドのある部屋の方が快適そ…
今朝見た夢。 わたしはまた知らない旅先の宿にいた。そこにはわたしの他にも複数の人々あるいは集団が滞在していて、そろそろ出発することになっているようだった。仄暗い自室で荷物を纏めていたような気がする。ふと、洗面台の死角になっているあたりに着用後の下着が一つ残っていることに気づいた。 わたしは出発が近いにもかかわらず、その下着を手で洗いはじめてしまった。すると、さらに着用後と思われるTシャツが3枚ほど出てきた。どうしようかと迷ったけれど、わたしは結局洗濯を始めることにした。誰かにこれから洗濯をしても間に合うかと尋ねていたような気もする。 その後、別の場面で、わたしは大きな研究機関か教育機関のような建物の中の廊下を歩いていた。そこで、扉から出てきた某国際安全保障研究者とすれ違った。穏やかな笑顔を浮かべる彼と何か言葉を交わしたはずだが、内容は忘れてしまった。なんだかほっとして、嬉しかったのは覚えている。…
Sea Water…
今朝の夢。 旅の途中で、昔母方の祖父母と共に住んでいた古い家に立ち寄った。入口の扉にピンク色の不在票が貼られていたので剥がしたが、しばらくするとまた同じ不在票が貼られているということが2度続いた。家の中には姿は見えないが祖父母がいるようで、母は外出しているようだった。 玄関には郵便物が宛名別に分けて積まれていて、わたしは自分宛の郵便物を引き取った。祖母から、母が大変なのだと聞いた。どうやら母は小さなクリーニング店で働いているようだったが、そのクリーニングチェーンの社長にならないかという打診を受けたらしい(そこで現実と夢とが混ざって少し混乱した)。 その後別の場面でわたしは旅先のホテルのような場所にいた。真っ白い肌と銀色に近い金髪を持つ大きな体つきの男性が同行していて、わたしは安心していた。わたしたちは何かの順番を待っているようだったが、しばらく休むことにして横になった。…
ふと、先に旅立っていった者たちのことや、過去に通り過ぎたごくありふれた風景、実に何気ない感覚を思い返すたびに、やはりすべて幻だったとしか感じられず、形をして生きているというこの実存あるいは現実は、一瞬にして立ち消えるホログラムのようだと思う。…
Sun behind the Clouds…
Waves…