月経中はあの世がより近く感じられる

月経中はあの世がより近く感じられる

夢の中で、わたしは現在暮らしているフラットの倍ほどはあるかなり広い空間にいた。まだ引越してすぐのようで、荷解き途中のものがたくさんあった。ふかふかのブランケットにくるまって眠っていたら、そばで寝ていたさくらがいつの間にか仔猫ほどのサイズになって、わたしの脚の上に移動していた。

脚の上で丸くなって眠っているさくらがあまりにかわいくて、わたしはVを呼んだ。二面に渡って並んだ窓からは明るい光が射し込んでいて、外は天気雨が降っているようだった。窓の下の棚には観葉植物が並び、部屋の角には見たことのない扇風機が2つ置かれていた。さくらは安心してすやすや眠っていた。

昨日今日と、とにかくたくさんの夢を見た。別の夢では、わたしは一部屋が100㎡はありそうな広いフラットに帰ってきた。すると、アイランド型キッチンのガスコンロの火が点いていた。わたしは「危ないな」と思いながら火を消し、スイッチ等を確認した。どうやら、何もしなくても勝手に火が点くようだった。

移動している夢も複数見た。夢の中ではまるでワープのように長距離を一瞬で移動できる。徒歩でも、数十~数百Kmの距離をすぐに移動できてしまう。ある夢では、わたしはなだらかな坂が続く土地をぐんぐん歩いて、どこか遠い場所へ向かっていた。はじめは共にいた古い知人は、別の場所へ帰っていった。

生理中は貧血によって酸欠状態になるためか、常に半ば幽体離脱しているような具合で、あの世がいつもよりさらに近く感じられる。痛み、息切れ、動悸、眩暈、倦怠感と、肉体的にはなかなか辛いが、その分意識はますます浮遊する。結局は起き上がっていられないので、たくさん眠ってたくさん夢を見る。

ごくささやかな情景がとりとめもなく蘇っては流れていき、現実だと思っていたあらゆることが幻だったとわかると同時に、すべてが懐かしく感じられ、微かな切なさを覚える。しかし、そんな感覚もまた留まることなく流れ去っていく。

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