三人の父と菩薩の顔が刻まれた小さな石橋

夢の中で、高層ビルの最上階からエレベーターで地上へ降りた。すると隣に父がいて、わたしたちは共に歩いた。夢の中の父は実際よりも老いていて、腰はすっかり曲がり脚が不自由なようだったが、まるで古い機械を直すように自らの手で骨盤をコツコツ叩いて調整しながら驚くほどの速さで歩いていた。 少し離れたところには、青年時代の父と、さらにはもう一人別の姿をした父もいた。年老いた父と共に歩いていると、道路に小さなアーチ形の石橋が架かっているのを見つけた。うっすらと苔むした石橋の端には美しい菩薩の顔が刻まれていた。橋の向こう側には廃墟のようにも見える高いビルが建っていた。 ビルの横にはずいぶん昔に廃線になった高架の跡が錆びついて赤茶けた状態で残っていた。わたしは「子どもの頃はよくここにきてこの橋を渡った」と一人で懐かしんでいた。そして刻まれた菩薩の顔をみながら石橋の上を行ったり来たりしているうちに、父はどこか建物の中へ入っていき姿が見えなくなった。…

デネブ ― 命を狙われる中、犬とともに移動している夢

夢の中でわたしは常に命を狙われているようだった。身の回りには特殊部隊のような存在がたくさん潜んでいるので、かなり慎重に行動しなければならず、姿を見られないよう常に隠れて行動していた。そんな状況の中、わたしは天文台だという石造りの大きな塔を丸ごと何かの装置に作り変えようとしていた。作ろうとしていたのは、生活や戦いのための道具ではなく、移動のための装置か、あるいはロケットや宇宙船のようなものだったと思う。 共に行動している女性が一人いたのを覚えている。わたしたちは一旦タイへ逃れようかというような話をしていた。わたしは長毛種の犬を連れていて、潜伏生活の中でもその犬がどうにか安心して暮らせるようにと気を配っていた。 移動先の高層階にある近未来的な空間で、「彼のことを知っているか」と問われたHarry Shum Jr.に似た細身の男性は、(夢の中では)古くからよく知る人物だった。こちらに向かって親し気な笑顔を浮かべている彼と「久しぶりだね」というような言葉を交わした気がする。そして、彼とその場にいる数人の人々はどうやら味方だとわかった。別の人から「何処から来たか」などの質問を受けたが、わたし…

人形を助ける夢

夢の中で、大きな戸建住宅が建ち並ぶ通りを歩いていた。家屋と道路を隔てる塀の上を歩いていた気がする。ある家の玄関先の低い生垣の中に人形が横たわっていた。フェルトや布で作られたその人形は、明るい肌色と黄色い髪をもつ男の子で、赤と青が組み合わさったユニフォームのような服を着ていた。 薄汚れたその人形をよく見ると、鳩尾の辺りに少し血が滲んでいた。「怪我をしたの?助けが必要?」と話しかけると、人形は喋りはしなかったが、体の向きを変えて「うん、助けて」というような素振りを見せた。人形とは言語を介することなく、直接的な意思の疎通が可能だった。 わたしと人形のやり取りを見ていた通りすがりの女性が「あなた、人形と話ができるの?すごいね、いつもそうなの?」というようなことを尋ねてきたので、わたしは「よくあることですよ、特にチェコに来てからはこういうことは何度もありました。」という風に答えていた。 人形を助けることにしたものの、どのような処置をすればいいかわからないので、日本にいる内科医の友人に電話をかけた。彼はちょっと驚いてはいたものの「なんとかしてみよう、なんとかできるよ。」という風に明るく答えた…

夢日記 - 2022年8月25日

いくつも夢をみたけれどどれも記憶が断片的にしか残っていない。 カフェかレストランのカウンターキッチンでチョコレートパフェを作っていると、テーブル席に座っていたグループが返ろうとしはじめ、その中にいた(夢の中だけの)知り合いの女性が笑顔で手を振ってきたので、わたしも笑顔で手を振り返した。 別の夢では、大きな絵を描きたくなり、自然光が入る広い空間を探していた。(夢の中だけで)母のパートナーが住んでいるという家の2階の半分が3面ガラス張りになっていてとても明るく、しかし、1階も含めると光熱費が高くつくし彼には広すぎるとのことだったので、わたしがそこを借りるという話になった。 その夢の続きだったか、または別の夢だったか、急勾配の斜面にたくさんの家が軒を連ねる街並みを歩いていた。中にはちゃんと垂直に建っていないのではと思える家もあるほど斜面の傾斜が大きく、徒歩ではもちろん車での移動も大変そうだった。…

夢の中の旅先のジャズ喫茶

夢の中でわたしはまた旅先にいて、地下にある古い大きなジャズ喫茶あるいはジャズライブハウスを訪れていた。時は大晦日または元旦のようだった。中には数人の客がいて、彼らと何か話した気がする。その店はその日を最後に閉業するとのことで、経営者の女性二人はにこやかに店じまいを始めていた。…

大きなコウノトリと二頭のポニー

夢の中で、大きな鳥が大きな円を描きながら空を飛び回る姿を眺めていた。やがてゆっくり降下してきたその鳥はコウノトリだった。コウノトリが降りてきた場所には二頭のポニーがいた。わたしは栗色の長い毛を持つポニーの身体を優しく撫でた。ポニーの毛はなめらかで触れているのが心地よかった。 わたしはどこか旅先にいた。駐車場に停めた車の窓から、大きな鳥が飛び回っているのを見つけたのだった。古い友人か知人がともにいたような気がする。わたしは一人で車から出て、大きな鳥が飛び回るあたりへ近づいた。すると、鳥は悠々と弧を描きながら地上に降りてきたのだった。…

アーティストの部屋に滞在している夢

夢の中で知らない人の部屋に滞在していた。知らない人だったけれど、夢の中では知り合いか友人のようだった。彼はどうやら画家もしくはアーティストのようで、大きなキャンバスの上にポップでカラフルな絵が描かれた作成中の作品を見せてもらった。背景の明るいクリームイエローが印象に残っている。 部屋の中は雑然としていて、床にはたくさんのものが散らばっていたが、居心地は良かった。彼は「くつろぐ時にはベッドかソファーの上に行けばいい」と言っていて、わたしもそうかと納得した。ベージュ色のカーテン越しに明るい陽射しが射しこんでいたのを覚えている。 その部屋にはバスルームが二つあった。一つは大きなバスタブの有る少し広めのバスルームで、もう一つにはコンパクトなバスタブと洗面台が備え付けられていた。わたしは彼になぜ二つもバスルームがあるのか尋ねてみたけれど、どんな答えが返ってきたかは覚えていない。…

幼なじみと旅をしている夢

夢の中で幼なじみと一緒に旅をしていた。わたしたちは集団で旅をしているようだったが、途中で彼女が風邪をひいたかウイルスに感染したかで発熱したため、集団から抜けることになった。わたしも彼女と一緒に抜けることにして、どの交通手段を使ってどのルートで彼女を連れて帰るかを考えていた。 荷物をまとめたわたしは、見たことのないワイドパンツを身につけ、珍しくハイヒールの靴を履いていた。外は夜で雨が降っていた。外では送迎の車が待っていて、背の高いドアマンが待機していた。 車の中でわたしは「古い知人の男性があの辺りに住んでいたから電話をすれば迎えに来て送ってくれるかもしれないけれど、やめておこう」と思い、そのことを幼なじみに話していた。わたしはひとまず電車に乗って彼女の家がある方へ向かうことにし、さらに彼女の家族に途中まで来てもらうことにした。 別の夢だったかもしれないが、陸地の形や縮尺が通常とは異なる世界地図を見ながら、わたしが現在暮らしているチェコはここだと、誰だったかはわからない女性に説明をしている場面もあった。…