日本で手続きに追われる日々

日本に到着して以降、なかなか熟睡できないのは、ホテルの部屋の室温管理が難しいからか、寝過ごしてはいけないという緊張感か、怒涛の手続きラッシュによるストレスか、それとも時差による影響か。きっと全部だろう。 今日は午前中は用事がなくて、ようやく少しゆっくりできている。とはいえ、午後からは父の後見人の事務所へ出向く予定があり、その後は相続関連の手続きのため公証役場と法務局へ出向かねばならず、さらには洗濯物と仕事も溜まっているが…。 身体が無事に乗り切ってくれますように。すべてやり遂げてチェコに帰った暁には、時間を気にせず絵を描いて、こんこんと眠りたい。…

六甲フィルハーモニー管弦楽団第55回定期演奏会へ

日本に到着した翌々日、昨年からパンフレットの絵を描かせてもらっている六甲フィルハーモニー管弦楽団の演奏会へ出向いた。そして、今回の演奏会のために描いた絵を、購入してくださった方へ直接お渡しすることができた。 終演後、複数の楽団員の方から「開演前にこの絵を見てイメージが広がり、それが音に結びついた」「見るたびに違って見えて、動いているようで、ずっと見入ってしまった」といった声をかけていただき、感激のあまりまだ言葉を失っている。今日はまたひとつ人生のマイルストーンとなるような一日だった。 新田ユリさん客演指揮による演奏は素晴らしく、特にこの絵の題材でもあるシベリウスの交響曲第5番は、涙をこらえるのが大変なほどだった。…

Liberation

2020年以降次々と家族が亡くなり、大量の手続きと死後の整理に追われ続けてきた。やらなければならないことが多くて実に大変な数年間だったが、思えばわたしのネイタル火星の上をトランジット冥王星がずっと行ったり来たりしているので、この火星がリミットを超える馬鹿力を発揮して、全て乗り越えてきたのだと思う。 今週からまたわたしは日本へ向かい、まだ残っている母方・父方、両方の遺産をすべて手放すための手続きを一気に済ませる予定だ。 ちょうど逆行中のトランジット冥王星が再びネイタル火星にぴったり重なっている。 これでいよいよ本当に全部終わりにする/できるのだろう。 ヘリオセントリックには逆行はないので、冥王星は1月後半以降ずっと水瓶座を運行している。しかし、意識(ヘリオセントリック)がどれだけ先に進んでいても、この物質世界の物事はやはりジオセントリックであり、何度も逆行しては、地上における遣り残しを徹底的に終わらせるために動くしかない。ここ数年は特にそのことを実感している。 思い返せば2008年、ちょうど冥王星が山羊座に移動した頃、わたしは元夫と離婚し、一人で東京へ引っ越した。あの時には母に住所…

記憶を呼び起こす絵

Distant Storm, 2024Distant Storm Pastel on Pastelmat 18x30 cm⁡⁡Cesta ke hvězdámR. Rorýs ある友人がこの絵を見て「記憶を呼び起こすような」と表してくれた。 また、別のある人は、故郷で見た風景を思い出すと言った。 わたし自身、いつかどこかで見た記憶の中の眺めを思い出させるような、あるいは、どこかにあるだろう遠い共通の記憶が蘇るような絵が描けるようになりたいので、そのように言ってもらえて嬉しい。…

未来を思い出す

テッド・チャン著『あなたの人生の物語』を読み終えた。 わたしが自らのUFO遭遇体験や、過去世のような夢を多々見てきたことや、未来を予見したかのような白昼夢やビジョンをいくつも体験してきたことを話した時に、それを聞いていたある人がこの小説を思い出した理由がわかった気がする。 表題作の中で描かれている世界は、わたしがしばしば抱いている感覚に近いものがあり、主人公には親近感すら抱いた。「まだ訪れていない未来を懐かしく思い出す」ようなあの感覚は実によくわかる。 わたしも地球上で肉体を持つ人間なので、当然ながら逐次的認識様式の中で暮らしているが、同時的認識様式を垣間見るような体験を幾度も味わっている。そのため、時は過去から未来に向かってではなく、未来から過去に向かって流れているように感じているし、過去も未来もすべての時は同時にある(あるいは時は円環である)のだろうと思っている。ただ、肉体がそれを認識できないだけのことだ。 この小説を読み始めて割とすぐに、J. L. ボルヘスの作品の世界に似ていると感じたが、実際にテッド・チャン自身が別の著書の中で、ボルヘスからの影響について書いているよう…

さくらの感触

夢の中で、ソファの上で横になってうとうとしていたら、足元の方からトテトテトテとさくらがやってきた。そしてさくらは、わたしにぴったりくっついたまま背を向けてどさりと横になった。さくらの頭の毛が顔をくすぐり、わたしは懐かしいその感触がとても嬉しかった。…

近くの街の一軒家を見学している夢

夢の中で、自宅から電車で15分ほどの街にある一軒家を見学していた。その家は売却に出されていて、わたしたちは近くに工房を持つ友人から紹介を受けてそこを訪ねているようだった。チェコによくあるタイプの古い平屋建ての家で、中の状態はよく保たれており、雰囲気や居心地も悪くなかった。Vが「もしここを購入するとしたら、今住んでいるフラットはどうする?」と言い、わたしは「両方所有すればいいんじゃない」と答えていた。…