父の死

実父の補助人の方から、今朝早くに父が亡くなったという連絡があった。わたしは様々な事情ですぐには日本へ行けないため、補助人さんが火葬や残っている諸々の支払い等を引き受けてくださることになった。補助人さんは、父の妻とも何とか連絡が取れたたそうだが、彼女はやはり「関わりたくない」らしい。 わたしが幼い頃に父が借金を残して失踪して以降、父とは一緒に暮らしたことはない。もちろんその後、母は父と離婚した。わたしは、過去の虐待経験等の理由から、母とも長らく距離れて暮らしていたので、父が養育費も支払わなかったと母から聞いたのは、わたしが30代後半になってからのことだった。 父はその後も借金と失踪、飲酒とギャンブルにまつわるトラブルを繰り返してきたため、わたしは常に彼とは距離を置いて生きてきた。しかし、2018年に父方の祖母が亡くなった際には、葬儀を手伝い、その後の相続手続きや財産の売却もサポートした。 わたしは、父に対してはやれるだけのことはやったので、何も思い残すことはない。補助人さんからの連絡も驚くほど冷静に受け止めた。とはいえ、彼とわたしは戸籍上の親子なので相続からは逃れられない。相続放棄…

Capella

オンラインショップで探し物をしていて、気になった商品の名称が「Capella」だった後、偶々読み始めた記事の中で紹介されていたホテルの名称もまた「Capella」だった。どうやらカペラが呼んでいるようだ。北向きの窓が多いこのフラットでは何気なく窓の外を見るとカペラの光が目に飛び込んでくることがよくある。…

空を

絵の参照にできる写真はないものかと過去の写真を見ていたら、さくらの次に多く撮っていたのが空の写真でだと気づいた。そして、そういえば子どもの頃には毎日屋上から空を見ていたし、どこに勤めていても勤務先の屋上や非常階段から空を眺めていたなと思い出し、もっと空を描こうと思った。…

新たな意図

昨日ふと、「いつかこういうようなものを作れるようになりたい」という明確な意図がやってきたが、今描いている絵の途中経過を見たある人の思いがけない反応 ― 彼女の中で起きた出来事を通して、それが既に実現されていることを知り、嬉しかった。…

夢の中で歩いた公園、大きな川、女性の顔が刻まれた石碑

夢の中で、仕事か何か任務のために知らない土地を訪れていた。わたしはどこかへ移動するため駅へ向かっていた。既に20時を過ぎていたが、空はまだ明るかった。何かの研究所だという建物がある敷地の中を歩いた。わたしは以前にもその研究所を訪ねたことがあるようで、その場所を知っているようだった。 敷地の中には広大な公園があった。そばには大きな川が流れていて、わたしはその川の堤防沿いを歩いた。川の水量は多く、堤防のすれすれまで水が満ちていた。川の向こうには、遠くにビルが建ち並ぶ街の様子が見えた。わたしはのんびり歩きながら、時々立ち止まって写真を撮った。 やがて公園の出口が近づいてきた。出口付近には深々とした森が広がっていて、公園の中とは雰囲気がまるで異なり、さらにそこには石造りの神社かあるいは大きな墓のようなものが建っていた。その森を通り抜けて外へ出た後、改めて振り返ると、大きな石造りの記念碑に女性の顔が描かれていた。 その女性はいわゆる霊能者のような存在で、昔多くの市民を助けた人物らしく、そこに祀られ、現在も人々から信奉されているようだった。ひときわ大きな記念碑の隣には、2、3の小さな石碑も並…