ソファーで寝落ちしている間に見た夢の話。
自宅という設定の知らない場所の裏に深い山があり、これまで通ったことのないルートで歩いてみることにした。山を奥へと進んでいくうちに、いつの間にかわたしは巨大な邸宅の屋根の上を歩いていた。コンクリート階段の隣にはリゾートホテルにあるような豪華な造りのプールが見える。Ⅼ字型の階段を降りると、そこは邸宅の入口だった。その佇まいは、まるで山奥に隠された巨大要塞のようだ。建物のファサードには古代文字か文様が刻まれていて、入口付近ではクラシック音楽が大音量で流れていた。どうやら誰かが2階で音楽を流しているらしい。
2階のバルコニー部分に女性らしき人影が見えたので、見つからないよう素早く立ち去った。元来たルートへは戻らずに、邸宅の入口から真っ直ぐに延びる舗装された道を歩く。すると、道を挟むようにして広がる邸宅の屋根の上や庭を多くの人々が歩いているのが見えた。そこは、ある種の人々には観光地として知られているようだ。
歩いているうちに住宅地へ出た。なぜかそこは、わたしが生まれ育った日本の町(実際の町並みとは異なっていたが、町名がそうだった)で、「あれ?ここに繋がっていたの?」と驚いた。そして、わたしは「そういえば、池田大作の家があの山の中にあるという話を聞いたことがある。わたしがたまたまたどり着いてしまったあの巨大な邸宅は、秘密の宗教施設だったのかも。」と誰かに向かって話していた。
もう一度同じルートを辿ってみようと山に入ったが、いつの間にかわたしは大きなコンサートホールのような建物の中にいた。その建物は急勾配の上にあり、複数階建てになっていた。下り坂のロビーを抜けて下層階へ降りようとしたところ、「今は下へ降りる階段の使用が禁止されている。」と断られてしまった。
目覚めてしばらくしてから記憶を辿ると、夢の中で辿り着いた山奥にある巨大な邸宅(または宗教施設)は、まるで大きな古墳の入口のようでもあった。
以前に河童の夢を見た時、わたしは彼らに見つからないようそっと踵を返したが、今回の夢でも、建物の2階にいた女性に気づかれないよう立ち去ってしまった。見つかってしまうか、いっそ入口から中へ入るかすれば、異なる展開があるのだろう。次こそはそうしてみよう。