母が天井を指さして「あんなとこに鳥がおるで」と言った。「飛んでるん?」と聞いたら「ううん」と言うので「じゃあ、鳥がそこにとまってるんやね」と答えた。
母の余命があまり長くないと感じて以来、わたしの頭の中では、誰かの手や、胸や、腹などから、小鳥が羽ばたいていくイメージが何度も浮かび続けている。そして、アンドレイ・タルコフスキー『鏡』の中の情景を繰り返し思い出している。
母が天井を指さして「あんなとこに鳥がおるで」と言った。「飛んでるん?」と聞いたら「ううん」と言うので「じゃあ、鳥がそこにとまってるんやね」と答えた。
母の余命があまり長くないと感じて以来、わたしの頭の中では、誰かの手や、胸や、腹などから、小鳥が羽ばたいていくイメージが何度も浮かび続けている。そして、アンドレイ・タルコフスキー『鏡』の中の情景を繰り返し思い出している。