内と外の共振とその色

内と外の共振とその色

音楽を聴きながら文章を読むことができなくなったのを改めて実感する。何かをしながら、別の何かをすることができない。だが、それでいい。ひとつひとつに専念するので、聴きたい音楽しか聴かないし、読みたい言葉しか読まない。身体と、身体を超える自分が共振するものだけを選ぶ。大切なのはいつでも、身体の内と外に起きる共振とその色だ。

外からやってくる音楽は、わたしの中の音楽を呼び起こす。以前よりも音楽を聴くことが減ったのは、内側に流れる音楽を聴いているからだ。しかしまた、内側の音楽を蘇らせるために、時に誰かの音楽を必要とする。アートとはそういうもの。

言葉だって同じだ。誰かが語った言葉を読みながら、自分の中の言葉を感じている。内側にある言葉が、誰かを通して現れる。まるで無限鏡のようだ。そうした力を宿す言葉だけあればいい。

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