詩とは形ではなく、その中に流れる本体のこと
詩は自我の慰めではない。むしろ詩は、思想や信念に張り付いて留まろうとする自我を破壊するものだ。
詩とは、信念や思想を語る言葉ではなく、わたしをそれらから解放する言葉のことをいう。詩の感情とは、信念や思想に基づいて機械的に繰り返される自我レベルの反応ではなく、自我を超えてやってくる、そして、自我を突き破って放たれる、とても速くて強い希求と呼応だ。
数日前に突如やってきたこれらの言葉がじわじわと腑に落ちた。詩による自我(の都合)の破壊とは、一方向に流れる時間に運ばれるしかない固形物(肉体)としてのはかない生から、わたし本体を解放する働きだ。
詩とは、形ではなく、その中に流れる本体のこと。