夢見のとき

最近、ここではないどこかを漂っている感覚が強まっている。仕事はしているし、生活も変わりはないが、そうした肉体を伴う「わたし」とは別に、形のない「わたし」が時空を超えて旅をしているみたいだ。普段からそういう感じではあるけれど、時々その体感が強まる時期がやってくる。

わたしは元々よく夢を見て、それらを覚えている方だが、こういう時期には特に夢見が濃くなる。夢の中で別の世界を生きているのを実感する。夢の出来事や体験は、残念ながら目が覚めるとこの地球上の物理的制限に沿って編集されてしまうので、解釈はせずに名残をただ味わっている。

また最近は、すっかり忘れていた過去の知人のことを不意に思い出すこともよくある。そうして、あらゆる過去が(そして未来が)今ここにいる自分の中にあるのを感じる。それはまるでごった煮のスープで、手を突っ込むと思いもよらぬ具が引き上げられる。創作とは、カオスから取り出したものを形にする作業だ。