新型ウイルスと世界の現状、スサノオ=疫病神説、彗星到来、内と外で起きていること

Day 9 in quarantine.

チェコでロックダウンが発令されてから9日が過ぎた。やはり、どうにも心身が落ち着かず、仕事や家事が手につかない。頭は早く切り替えたがっているが、身体がそれを拒否している。これはもう、腹を括って、現在の世界情勢と空気にしっかりとチューニングをあわせ、自分の内と外で起きていることをとことん味わうしかない。道徳的な理由ではなく、自分自身のために、たやすく片付けて切り替えてはいけない気がする。生き物として、人間として、自分の内と外で今まさに起きていることをすべて呑みこむ必要がある。

先日友人から、金星=スサノオ説、そして、疫病神としてのスサノオについて教えてもらった。「スサノオは、境界を破って侵入してくる遊牧民の象徴だったのではないか」と彼は言っていた。古代において、疫病は海の向こうから来ると考えられていた。これは迷信ではなく、渡来人が日本にはなかった疫病を持ち込んで流行させたということだろう。

さらにこのタイミングで、裸眼で見えるほど明るい彗星が地球に接近している。スサノオは彗星に例えられることもあるそうだ。太陽系の外からやってくる彗星もまた、既存の枠組みを貫いて破壊する「マレビト」の象徴だ。この偶然性にはちょっと興奮している。

ちなみに、現在地球に近づいている彗星ATLAS(C/2019 Y4)は、4月末から肉眼で見えるようになり、5月末には最も明るくなるそうだ。また、ATLASは1844年に飛来した大彗星と軌道が似ており、この大彗星のかけらではないかとも言われている。

最近Twitterで話題になっていたアマビエは、「アマビコ(海彦)」という同種の妖怪の誤記ではないかという説がある。アマビコに関して残っている最古の記録は天保15年(1844年) のものらしい。

これらの偶然性を解釈するつもりはない。ただ、理解を超える力によって長く続いた「これまで」が終わり、ここからまったく異なる新しい世界を創っていくしかないのだと感じている。

新型ウイルスと世界の現状も、接近中の彗星も、そしてスサノオも、外に生じているもの / 外に見つけるものは、自分の中にも起きているものだ。外側にあるそれらの存在を認識しながら、同時に、自分の内側にあるそれらに似たものに気づいていく必要がある。わたしの中のウイルスに似た力、彗星に似た力、自分の中のスサノオを自覚することで、まったく新しい世界創造が始まっていくのだろう。今はまだ、外側で起きていることを吸収するプロセスの最中だ。

(Illustration : A Comet's Journey by J.J. Grandville, 1844)