ホロスコープとタロットについて
ホロスコープとは「恋愛」や「仕事」といった社会生活のほんの一部を ”占う” ためだけのものではない。ホロスコープチャートにあるすべての天体は、その人の中にあるさまざまな要素を示唆している。そういう観点からすれば、ホロスコープとは、自分の中にあるすべての天体=すべての要素を過不足なく生きるための地図のようなものだ。そして、社会における自己実現を通して、より大きな自己へ向かうための指針にもなる。
たとえば太陽や月しか見ないのは、ホロスコープを無理やり小さな枠に押し込めて歪めるようなものだ。それはホロスコープへの冒涜だとすら思う。当然ながら、ホロスコープとは「信じる、信じない」というものでもない。チャートを通して自分を客観的に認識し、自己想起していくために活用できれば、ホロスコープはすばらしいツールとなる。
タロットカードもまた然りだ。22枚の大アルカナはひと連なりの物語であり、それは、人間や社会、世界の移り変わりを示唆する。つまり、タロットカードもまた、ただ ”運勢” を ”占う” ためだけのものではない。目の前に現れるカードは鏡のように、その人物の状態と状況、さらにはシャドーをも映しだす。それをどのように認識し、どう自己想起するかが鍵だ。
写真はリスボンにあるフェルナンド・ペソア博物館の入口に描かれているペソアの出生チャート。彼は占星術家として活躍できるほどホロスコープに詳しかったそうだ。