では、あなたはどうしたいのか
チェコに移住する前の一年半ほどの期間、わたしはある役割のため、チェコと日本を行き来するだけでなく、あちこちへ旅をすることになった。そうして旅先では、なぜかいつもその場その時に出逢った人々から悩みを打ち明けられ、話を聞くことが多かった。中には友人となり、今でもたまに連絡を取り合う人もいる。 あれは、わたしが単独で旅をしていたからこそ起きた展開だったのだろう。旅人だったわたしは、彼らにとっては云わばマレビトであり、風であったのだと思う。 ある国では滞在したホテルのオーナーから家族に関する悩み事を打ち明けられ、別の国では自殺未遂をしたという若者から話を聞いた。ここ数年は用事も兼ねて日本へばかり出向いていたが、日本ではいつも誰かから打ち明け話を聞く機会が重なる。思えば昔からそうだった。 これまであちこちで多くの人から打ち明け話を聞いてきて感じるのは、悩みや問題の大半が、両親あるいは家族との関係に起因しているということだ。親あるいは家族との間に生じた(作り出した)感情と、それを受容できないが故の葛藤が、その後の本人の思考や行動、あらゆる選択に繋がっている。 自らで認めて受け入れること…