友人が所属するオーケストラの演奏会のために絵を描くにあたり、グスタフ・マーラーの交響曲第5番を聴いている。具体的な理由もあって、マーラーには長年食指が動かずにいたが、とうとう聴く理由がやってきた。
彼は、私が暮らす街からそう遠くはない、現在のチェコ共和国イフラヴァ(Jihlava)で生まれ育った。そこで、ここはやはり、同じくボヘミア人でありながら「故郷のない生」を生きた、ラファエル・クベリークの指揮で聴くことにした。
この交響曲は「絶望と死から、愛と祈りを経て、歓喜へと至る」と解説されることが多いようだが、第1楽章から第5楽章まで全編を通して繰り返し響いてくるのは、底なしの深い孤独と悲しみだった。「アルマへの求婚」としてロマンティックに語られる第4楽章も、決して実現することのない幻想(理想郷)への渇望が感じられ、儚く、美しく、そして悲しい。
先月ストックホルムで足跡を追ったエウヒェン王子やエウヒェン・ヤンソンの作品からも、深く静かな孤独を感じた。そしてむしろ私はそこに、どこにもない懐かしい故郷を垣間見るような安堵を覚えた。「孤独」と「悲しみ」を鍵に、これまで聞いてこなかったマーラーの世界に足を踏み入れてみようと思う。