サーミのトナカイ座
以前から一度訪ねてみたかったフィンランドのラップランド地域イナリにあるサーミ博物館SIIDAとサーミ議会&文化センターSAJOSへ、夏に行ってみようかと思い立ってから、改めてサーミ人の神話について調べている。しかし、サーミの神話/ラップランド神話については、日本語の情報がほとんど見つからない。サーミの神話は、当然ながら北欧神話とは別物で、フィンランド神話とも系統が異なる。英語で書かれた本は見つかるので、良さそうなものがあれば読んでみようと思う。
わたしがサーミ神話に興味を持ったきっかけは、サーミの世界にはトナカイ座があるという話を偶々目にしたことだった。アルクトゥルスとシリウスがこのトナカイに向かって矢を放ったが、矢は北極星に当たって跳ね返り、彼らの息子と娘がイナリ湖に落ちてしまった。このイナリ湖に落ちた男と女がサーミ人の祖先になった…という話があるらしい。地名にあるとおり、この神話はきっとイナリ・サーミの人々によって語り継がれてきたものだろう。
このトナカイ座は、かなり大きいアステリズムだ。カシオペアがトナカイの角、双子座がお尻、オリオン座が蹄、そしてアルデバランが鼻にあたるという。このトナカイ座を写真で示したWEBサイトを見つけた。