幻のように
ああもうほんとうにみんな死んでしまったのだという実感は何度でも不意にやってきて、そのたびに、存在も時間もすべてが夢だったように感じられる。そうしてあれらはいったい何時、何処だったのかも曖昧になり、今確かに自分が居るはずの此処が何処なのかさえ朧げに揺らぎはじめる。みな瞬く間に消える幻のようなもの。
何のため四十八年過ぎたのか頭かしげてみてもわからず ― 山崎方代
ああもうほんとうにみんな死んでしまったのだという実感は何度でも不意にやってきて、そのたびに、存在も時間もすべてが夢だったように感じられる。そうしてあれらはいったい何時、何処だったのかも曖昧になり、今確かに自分が居るはずの此処が何処なのかさえ朧げに揺らぎはじめる。みな瞬く間に消える幻のようなもの。
何のため四十八年過ぎたのか頭かしげてみてもわからず ― 山崎方代