名字の遍歴
結婚後、チェコではチェコにおける氏名で署名を求められるようになり、サインの練習の必要を感じている。チェコにおけるわたしの新しい名字はちょっと長い上に、ハーチェクが1つ、チャールカが2つあり、筆記体ではまだスムースに書くことができない。先日も、保険の手続きに出向いた際にチェコの名字で署名を求められ、ゆっくり書きつつも間違えそうになって思わず苦笑し、担当者も笑いながら「大丈夫、合ってる」と確認してくれた。
一般的に婚姻前の氏はmaiden nameとかoriginal family nameとかと呼ばれるが、わたしの場合、一度目の婚姻相手との離婚時に婚姻時の氏(つまり元夫の氏)を名乗ったまま単独で新しい戸籍を作ったので、旧姓をmaiden nameと呼ぶのは違う気がする。
また、わたしの両親はわたしが10代の頃に離婚し、わたしは旧姓に戻った母の戸籍に入ったので、この時にもわたしの氏は変わっている。出生時は父方の氏だったので、birth nameはひとつだ。しかし、family nameはと問われると、生まれた時の氏と、両親が離婚した後の母方の氏の両方が頭に浮かぶ。
チェコの行政機関への届出や手続きの際には、現在の氏名に加えてbirth nameの記入を求められることがあり、証明書類にもbirth nameが記載されていることが多い。そのため、日本で暮らしていた頃にはすっかり遠いものだった出生時の氏を目にし、これまでの自分の氏の遍歴(4つ!)を振り返る機会が増えた。