羽田からヘルシンキへ向かうフライトで
羽田空港は東京都心部とのアクセスが良くて便利だけれど、羽田発着便はやはり人気が高いのか、今回はプレミアムエコノミーすら満席だった。今後日本へ来る時には、羽田発着便はなるべく避けようと改めて思う。時期にもよるが、例えば関空発着便は羽田便よりはすいていることが多い印象だ。
3週間近くまともに眠れないまま多忙な日々を過ごしてきたので、肉体的な限界はとっくに超えている。あまりの辛さに、オンラインでフライトのアップグレードの問い合わせをしてみたが、不可能と言われて一度はあきらめた。しかし、チェックインカウンターで再度尋ねたところ、空席はあるという。料金は予想通り高額だったが、それでも即決したほど疲れ果てていた。すぐにでも横になりたかったし、仕切りがあるとはいえ隣に知らない他者がいる状況で10時間以上を過ごすのはもう無理だった。神経症(OCD)持ちにとっては、飛行機での移動はなかなか辛い。
ビジネスクラスにアップグレードできたおかげで、他者とは隔離された半個室空間で、ゆったりと完全に横になって眠ることができた。東京では、パーソナルスペースのあまりの狭さに精神がひどく消耗していたので、長いフライトの間、周囲を気にすることなく一人静かに過ごすことができて本当に助かった。出費は大きいが、少しでも楽になれる決断をしてよかった。
わたしが暮らしている街へ来たことがある人はすぐ理解してくれるが、普段は広々とした静かな場所で暮らしているので、今回は特に東京での滞在が辛かった。路上や駅や電車の中だけでなく、飲食店の座席や美術館のトイレまでもが狭くて、他者との距離があまりに近くて、終始ストレスを感じていた。これらは東京に限ったことではないのだろう。つまり、わたしはもう、あらゆるものが過密な大都会には疲れとストレスを感じるようになってしまったようだ。
乗り継ぎ地のヘルシンキ・ヴァンター空港は、朝の早い時間は思いのほか人の数は多かったものの、すべてが広々としていて、人々の動きにも意図が感じられるので、ほっとしている。