青い時

太陽が沈む方角が日ごとに移り変わっていく。

日が沈んだ後も空はしばらく明るい。日が長くなると、部屋の中が静かに暗さを増していくこの時間がますます心地よく感じられる。

そして、日没後のこの時間にだけ現れる淡いミントグリーンのような空の色にはいつも見入ってしまう。

そういえば、日本で会社勤めをしていた頃も、仕事の後にこの青い時間の街を歩くのが好きだったことを思い出した。街も、木々も、人々も、徐々に深みを増していく青いベールをかぶされたようで、まるで夢の中を歩いているみたいだと感じていた。カメラを持って、宛もなく青い空気の中を泳ぐように歩き回った。