束の間の夢

束の間の夢

歳をとり、自力で立てなくなって、食欲もなくなり、痩せ細っていく犬たちの姿をSNS等で見るたびに、さくらの旅立ちを見送った日々を思い出す。そして、飼い主さんたちの想いだけでなく、大変な日々も想像でき、身体の中に深い深い静けさが広がる。それは、底のない真っ暗な穴のごとき静けさ。

みんなあっという間に旅立っていく。
残った記憶はすべて夢のよう。

終わらせるためにここへ来た。
そう気づくよりもずっと前から、今回は幾つもの命を見送るような気がしていた。

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