赤いマールボロ、嬉しそうな祖父

夢の中でまた、今はもうない昔の実家にいた。実際にわたしが10代の頃に使っていた2階の部屋には、わたしの元夫らしき人と、女性と男性が一人ずついて、元夫らしき人は、何やら内面に問題を抱えているらしいその女性を励ましているようだった。わたしはタバコを吸いに外に出ようと思い、その部屋を離れた。

廊下を挟んだ母の部屋で、マガジンラックのようなものの中にマールボロの赤箱とライターがあるのを見つけて、それらを手に取った。丸められた赤いTシャツも入っていたので、それも取り出した。外は肌寒そうなので、オレンジ色のウインドブレーカーを羽織った。階下へ向かう際に、廊下の突き当たりにあるトイレ(実際にはそこは物置だった)から例の女性が出てきたが、わたしは彼女とは目を合わさずに階段を降りた。

1階の台所では、祖父がニコニコしながら何かを食べていた。わたしは「おじいさん、久しぶり、元気そうで嬉しいよ」というようなことを言った。祖父は、わたしの言葉や反応が嬉しいようで、ますます笑顔になって「あんたはええ子やな」というようなことを言った気がする。

玄関では、元夫らしき人が座って靴を履こうとしていた。わたしは彼の左隣に座り、自分の頭を彼の頭にそっとくっつけた。彼はしばし手を止めてじっとしていた。そのあたりで目が覚めた。

タバコが夢に出てきたのは初めてだったかもしれない。実際には、わたしは15年以上前にタバコは辞めたが、それまで喫煙していたのは夢に出てきたのと同じ赤のマールボロだった。