夢の中で、古代の権力争いのようなものに巻き込まれていた。どうやらわたしは最終的に権力を有する側の比較的高いポジションに就いたようだった。外にも中にも複数の護衛が並ぶ巨大な建築物の中へ入り、松明の火で照らされた薄暗い通路を歩いて奥へと向かったが、途中で嫌になり「これは違う」と感じて踵を返した。
出口へ向かっていくと、護衛たちが賄賂を要求してきたので、手持ちの金を渡した。外には大きな川が流れていて、わたしは川に係る橋の上から支配者のものと思われる巨大な建築物を眺め、自分にはいざとなればあの建築物を一瞬で破壊する力があることを思い出した。
わたしにはいわゆる超能力のような力があるようだった。念じるだけで、その巨大な建築物が爆破されたかのように崩れ落ちるビジョンがはっきりと見えた。しかし、わたしはその時点でそれを実行するつもりはなかったので、別次元の可能性のままにしておくことにした。
わたしは川沿いに北へ向かって歩いた。川の水は澄んで美しかった。巨大な建築物がある権力の中心地とは異なり、あたりには長閑な雰囲気が漂っていた。わたしはしばし立ち止まり、川の流れを眺め、色づいた周囲の木々や木の実の色彩を味わった。鮮やかな橙色をした柿のような実がたくさんなっていた。