この夏は旅立ちを見送る機会がつづく。
さくらが旅立っただけでなく、あの人も、あの犬も旅立っていった。
さくらが旅立った後は、まるひと月うまく眠れず、途方にくれてしまって、何も手につかないまま時が過ぎていった。4週間後にようやくまた絵を描きはじめたが、その後も複数の人々や生き物たちの旅立ちの知らせが続き、そのたびにさくらのことも思い出しては、何も手につかない状態に陥った。
誰かが旅立つと、当然ながらその身近な人からの連絡が届き、彼らの話を聴くことになる。そうして人の悼みに触れながら、図らずも自分の痛みを反芻することになった。ここ数日またしばらく止まってしまっていた。ホルモン周期のためか体調もいまいちで、なんだかつらくて頭が痛い。しかし、無理やりにでも動こうと決意し、今日は絵を描いた。
未だまったく立ち直れてなどいないけれど、そうやってなんとか、淡々と、いや粛々と、生きている。