自分で自分に与えること
人生は、自分自身を発見あるいは再発見しては、自らのあらゆる側面を受け入れていくプロセスだと言える。延いてはそれは他者そして世界のあらゆる側面を受け入れていくプロセスにもなる。さらに言えば、人生とは、自らを知り、自らの望みに気づき、それを自分で与えていくプロセスでもある。
自分が本当に望んでいる(いた)もの、あるいは、求めていたけれど与えられなかったもの。それを、他者に要求するのではなく、自分で自分に与えていく必要がある。そしてそれは、無自覚な犠牲者の立場から抜け出すことにも繋がっている。
それをするためにはまず「わたしは無意識のうちに自分の願望を他者に投影し、他者に要求し、他者から与えられることを期待している」という事実に気づくことが必要だ。それは、無意識に一体化しているものから分離すること、つまり同一化から脱却することだと言える。
自分の望みを知り、自ら意図して、自分でそれを与えるとは、機械の状態あるいは漂うだけの流木の状態をやめるということだ。