ふたたびタイゲタへ

ふたたびタイゲタへ

昨夜は横になる前にまた唐突にタイゲタの名が頭に浮かび、そのまま眠りに落ちた。夢の中でわたしは日本の中都市のような街にいた。辺りは既に暗く、街の中も広い車道も静かだった。ワインボトルのようなものを2つ腕に抱えた若い女性が、急ぎ足で横断歩道を渡っていく姿が見えた。

空には月の他にもうひとつうっすらと桃色がかった光を放つ天体が浮かんでいた。そしてそのすぐそばにかなり大きな星の集団がはっきりと見えていた。やがてその星の集団が一斉に同じ方向に動きはじめた。星だと思っていたが、宇宙船かUFOかあるいはドローンのようなものだったのかもしれない。

すると建物の灯りが一斉に消えて街の中はますます暗くなった。どうやら、空を移動し始めた光る物体の集団に見つかってはならないらしく、人々はみな建物の中に隠れているようだった。攻撃されたり殺されたりするような恐怖は感じなかったが、わたしも見つからないよう体勢を低くして走った。

しかし、どの建物も明かりを消したまま閉ざされていて、どこへ向かえばいいかわからなかった。やがて右前方に唯一緑色の看板に灯りが点いている商店のようなものが見えたので、わたしはそこへ向かうことにした。そうして走っているうちに、空を移動する光る物体の集団は去っていったようだった。

そのあたりでわたしは、夢の中で「前にも同じような場面を夢の中で見た」と思い出していた。どうやら明晰夢のようだった。

すぐ目の前の道路で右か左へ曲がるために一時停車していた車に、後ろからやってきた車が衝突するのを目撃した。運転手は手に持ったタブレットのようなものを見ていて、前方を見ていなかったようだった。わたしは事故の目撃者として巻き込まれたくなかったので、砕け散ったガラスの上を慎重に走った。そうすると、父方の祖母が長年経営していた喫茶店があった場所から近い交差点にたどり着いた。

おそらく別の夢だと思うが、わたしは高速道路上に架かる橋のようなところに立っていた。橋の下はたくさんの車が行き交っていた。そのすぐ真上を大きなジェット機が前方から後方へと次々に飛んでいった。無数の飛行機が一斉に同じ方向へと飛び去る様子はまるで大量の映像を重ね合わせたかのようだった。

さらに別の夢では、わたしは不動産会社で面接を受けているようだった。ふくよかな体つきをした裕福そうな雰囲気を持つ女性社長は、わたしを仲間に入れたい様子だったが、わたしはいまいち気乗りがしなかった。どこかの部署の部長だという男性を紹介されて名刺を受け取ったが、わたしはどのようにして断ろうかと考えていた。

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