アメシストの記憶

松村潔氏が以前「金星からエネルギーをチャージする」と書いていたのをふと思い出し、そういえばこのところ地上の社会生活における役割が忙しくて、エーテル的な活動が足りていなかったと気づいた。ただ休息するだけではなく、エーテル体を養う・図太くする必要がある気がした。

水晶玉スクライイングを再開しようと思い、タマフリという言葉が頭に浮かんだりもしたので、ちょっと久しぶりに鉱物商のWEBサイトを覗いたら、以前に目にして惹かれた石が値下げされているのを発見し、思わず購入してしまった。

購入したのは、ロシアはマガダン州、Severo-Evensky地区、Kedon産のアメシスト。赤みを帯びた紫色と、ごつごつしていながらも全体は丸い特徴的な形、掌にすっぽりおさまる大きさが気に入った。さらに、採掘された場所がちょうどわたしの金星ICラインが走っているあたりだったことが決め手となった。

今年2月にも、わたしは同じ鉱物商からナミビア産のアメシストを購入した。頭頂部分が骸晶になっている美しいスモーキーアメシストで、とても気に入っている。重量は200g近くあり、握った感触もちょうどいい。意図してはいなかったけれど、徐々にまた手元にアメシストが増えつつある。

幼い頃、当時暮らしていたアパートの近くで小さなアメシストを拾ったことを思い出す。幼稚園や小学校との行き帰りに毎日何気なく歩いていた路地で、アスファルトの上にキラキラ輝く紫色の粒を見つけたあの瞬間のときめきは忘れがたい。わたしにとってあれが初めての鉱石との出逢いだった。

思い返してみれば、頭のすぐ真上に巨大な光る飛行物体を目撃したのも同じ路地だった。恐ろしくなって走って逃げたものの、その後の記憶は失っている。あの路地はもしかしたら世界の裂け目のような場所だったのかもしれない。

追記

マガダンという地名に聞き覚えがあったので調べたところ、そこがスターリン時代に多くのラーゲリ(強制収容所)がつくられた地であることを思い出した。100万人を超える政治犯を含む囚人が、マガダンからヤクーツクに繋がる「骨の道(この道の建設のためだけでも何千もの人々が命を落としたそうだ)」を通って豊富な金鉱床のあるコルィマへと送られ、その多くは過酷な労働で命を失ったと言われている。

作家・詩人のヴァルラーム・シャラーモフも、コルィマへと送られた一人だった。彼が書いた『コルィマ物語』は日本語にも訳されているが、残念ながら絶版となっている。どうしても読みたくて、英語翻訳版を購入してみた。