「この世では戦争も反戦運動も延々と繰り返されます。いずれも、自らの影に対する無知そして否定であり、機械による機械的な反応という点ではまったく同じことです。もしも反戦運動によってある戦争が止められたとしても、反戦運動に従事した集団はやがて分裂して、また争い始めるでしょう。」とある人に話した。
グルジェフは「人が機械の状態でいる限り戦争がなくなることはない」と言っている。感情の記憶に支配され、外側の条件に反応するだけの機械のような人間が、機械の状態のまま問題を解決しようとし、夢想と忘却の中で機械を相手に戦争をしているのだと。
今となってはこれがまさに真実であることがよくわかる。
昨日、世に希望などあるはずがないと書いたのは、このことについてだった。希望とは、自分の外側に夢見るようなものではない。それは、個が自らのために自らの手で創り出すものであり、夢想と忘却の自己喪失状態から脱して機械ではない「自己」を生きようとする存在のことだ。