与えられた時間はわずかだ
世の中に希望などあるはずがない。それどころか見れば見るほど絶望しかない。そして世に見るその絶望はそっくりそのまま自分自身である。己の影に反応しつづけるだけでは無のまま死ぬどころか、死んだ後も抜け出せずに延々と囚らわれたままだろう。希望とは”見つけるもの”ではないということだ。
大国の狂人のように見える”彼”も、そこに立ち向かう英雄役に没入する”彼”も、自分自身の影であると明確に自覚することができなければ、わたしたちは延々とリアクションロボットのまま同じことを繰り返す。
人は、茶番劇に没頭したままあっという間に死ぬ。わたしもあっという間に死ぬ。そのわずかな時間を、誰かや何かの意図に乗せられて感情移入し、機械的に反応するだけの道具や通路として終わるのはまっぴらごめんだ。