ベッドで寝ている母の洗濯物を整理する夢

二度寝をしたら、久しぶりに夢の中で母に会った。

建て替えられる前の昔の実家の2階にあった母の部屋に入ると、母がベッドで眠っていた。わたしは彼女がそこにいるとは思わなかったので少し驚いた。部屋の中には洗濯物が散らかっていて、テレビと電灯がついたままになっていた。わたしは、散らばった衣類の中から、洗濯済と思われるものと、まだ洗濯されていないものとを分けていった。母のパートナーが作って取り付けたと思われる室内干し用の竿やラックにも、いくつかの衣類が掛けてあり、一部は脱いだままのようだった。脱ぎ捨てられていたブラウスは皺にならないよう広げた。まだ湿っているスウェットパンツ2つを窓の外に干そうとしたが、雨が降っていた。仕方ないので室内に干そうと広げたところ、パンツの中からぽとりと濡れた使い捨てカイロが落ちた。さらに両裾にもカイロが貼り付いたままになっていたので剥がしたら、ずっしりと重かったパンツはすっかり軽くなった。

ベッドの中で「疲れた…もう嫌だ…」という様相で寝ている母に、いつこの部屋に戻ってきたのかと尋ねたら、「〇〇さんたちの〇〇の後」というようなことを言っていた。どうやら誰かの要望に長い間付き合って無理をし、疲れ果てているようだった。わたしは、彼女らしいなと思った。

わたしは「これは夢だ」とわかっていて、目覚める前に、母は今もまだこの世界あるいはこの世界に近いところにいるんだなと思った。彼女はまだ生前の自分(肉体に伴っていた個性)を脱ぎ捨てていないようだ。それも彼女自身の選択なのだろう。彼女のパートナーが死ぬまで待つつもりなのかもしれない。