2006年の夏の終わりに、夢で見た川を訪ねて、3週間ほど京都に滞在したことがあった。滞在したホテルには、各部屋ごとに異なるアート作品が展示されていた。それらはみな、作家たちが実際に部屋に滞在しながら作った作品だった。
わたしが滞在した部屋には、その部屋をそっくりそのまま描いた大きな絵画と、額におさめられた一冊の本が展示されていた。絵には「Welcome to Another World」という文字が書いてあり、本の中には「easy access to another world」という言葉があったことを覚えている。
その本には「私がこの部屋にいたら、後から彼がやってきた。彼は、こことは違う世界で同じ部屋にチェックインしたらしい。この世界の私と別の世界の彼とが、この部屋で出会った。」というようなストーリーが英語で書かれていた。その部屋は異次元へのポータルになっているということだった。
あの部屋に滞在しながら京都の街を巡っていた間に、実にたくさんのおもしろい、あるいは不思議なめぐり合わせと出来事が起きたのも覚えている。夢で見た川を訪ねた際には、人生で初めてトランス状態を体験した。その後、わたしはいくつか大きな決断を下し、まったく新しい人生を始めることになったのだった。