武満徹が見た夢 ー 星形の庭へ降りてくる無数の鳥たち

武満徹が見た夢 ー 星形の庭へ降りてくる無数の鳥たち

武満徹もまた太陽系外と繋がっていた人なのだと思う。あるいは、恒星化した(目指した)人だ。

彼が夢から音の着想を得ていたことはよく知られている。たとえば彼は、パリのポンピドゥー・センターで星形に剃られたマルセル・デュシャンの頭を撮影したマン・レイの写真を見た夜に、無数の白い鳥が黒い鳥に導かれて星形の庭へ降りていく夢を見たそうだ。その風景を音楽的だと感じた彼は、それを音楽にしたいと思い、『鳥は星形の庭に降りる』を作曲したのだという。

夢の中の無数の鳥たちは、星形の庭=五角形=地球上における創造性あるいは遊びへと降りてきた恒星意識だろう。

夢は、物質的個体として地上に存在するわたしたちにとって、肉体という制約を離れて時空を超えてどこまでも広がり、極めて象徴的かつ概念的な体験を得ることができる唯一の(肉体的な死を除く)方法だ。恒星意識は夢を通ってやってくる。

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