2本の抜歯と物語からの脱却

2本の抜歯と物語からの脱却

今日もまた抜歯術を受けてきた。マイクロスコープを使った根管治療を始める前に医師から説明を受けて納得していたので、治療途中に抜歯へと施術が変更されてもすんなり受け入れることができた。

9月に上顎左の第二大臼歯を、昨日は右の第二大臼歯を抜歯した。いずれも周期的にトラブルが生じては、何度も治療を受けて来た歯だった。第二大臼歯は母親・父親との関係を表すという説を知り、なぜこの2本の歯にばかり負担が生じていたかがわかった。抜歯した今はもう不要な無理が生じることはない。

昨年夏に母が肉体を有する個としての存在ではなくなり、長年続けてきた”物語”がいよいよ完結した実感を味わった後、歯を抜くことになった。父はまだ生きているが、先日久しぶりに電話で話をした際に、心地よい分離感を味わった。そうしてまた歯を抜いた。ようやく単独で自分を生きる・創る時が始まる。

立場ではなく、属性でもない、ただの生き物としての感覚を味わいながら、どんな影も統合して、自分を大きくしていく。意味や理由ではなく、過去でも未来でもなく、ただただ今現在の自らの取り組みに専念する。自分を生きるってそういうことだ。そうして、縦軸を自在に行き来するのだ。

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