Ateliér alchymisty

緑に囲まれた水辺に近い場所にある、明るくて風通しのよい静かなアトリエで、香りを作ったり、写真やコラージュや鉱物を用いた作品を作ったり、植物を育てたりしている具体的なイメージを想像していたのは、チェコへ来るよりもずっと前のことだ。ふと気づけば、現実があのイメージに近づいている。

でも、あのイメージの中のアトリエは、現在わたしたちが暮らしている場所ではないこともわかっている。きっと、いずれさらにふさわしい場所へと移るのだろう。それまでは、今いるこの場所に自分のための心地よい空間を作る。新しい机が届いたら、リビングルームに小さなアトリエを作るつもりだ。

調香オルガンに並ぶ香料も、幼い頃から親しんだピアノの鍵盤や色とりどりの絵具も、形は違えど同じものだとふと思う。ひとつひとつが固有の”色”や”質感”を有する材料で、それらを組み合わせることによって、無数の情景を描き出すことができる。