人は自らが望んだとおりになる

7年前の今日、わたしはポルトを訪れていた。わたしはあの時初めて”一人で”飛行機に乗って日本国外へと旅をした。現地では友人たちが待ってくれていたけれど、”一人で欧州へ行く”という経験にかなり興奮し、また緊張もしていたように思う。もう随分昔のことのような気もするし、つい先日のことのようにも感じられる。

あのポルトガルへの旅がなければ、わたしは日本での生活や仕事や関係を全部投げ捨てて終わりにすることはなかったかもしれないし、チェコに辿り着くこともなかったかもしれない。初めて訪れたポルトガルで、わたしは「何者でもないただのわたしとして、何もなさぬままただ存在していてもいい」という安心を初めて味わったのだった。

時折こうして振り返ると、人はやはり自分が望んだとおりになるのだと実感する。自覚していようがいまいが、わたしたちは、自らが望み、求め、意図した状態になっていく。そして、そしうした内側からの望みや意図に呼応する、場や、人や、環境が外側に現れる。現在の自分は、過去の自分の望みそのものであり、自らが意図した結果そのものだ。