粒子のゆらぎ

目の前にあるすべての存在が突如として無数の粒子の流れや揺らぎとして見えた6~7年前の体験について、久しぶりに人に話した。あの時わたしは初めてやってきた感覚に驚きながら、粒子のゆらぎや偏りを脳が形として認識・解釈しているだけで、すべての形は通過点でしかないのだなと妙に納得した。

そして、やはり自分が自分だと思っている「自分」は一瞬そのように見えただけのものなのだなと思った。「自分」だけでなく、自分の中で繰り返し作り出される「過去」も「記憶」も、そこに登場する「他者」も、やはり同じく、一緒そのように見えたというだけの通過点であり、ある種の幻のようなものだ。