夢の中でどこか知らない国を訪れていた。複数の高架が幾重にも立体に重なりながら交差する景色を覚えている。空は広く、正面から眩しい光が射していた。わたしは、あんな高いところにも駅があるのかなどと思いながら、高架上に座る人々が足を空に投げ出して楽しそうにぶらぶら揺らすのを見ていた。
別の場面では、わたしは多くの人が行き交う大きな商店街を歩いて、街の中心部から住宅街方面へと向かっていた。日本の食材や商品を扱う店が並んでいたので、「この辺りには日本人が多く住んでいるのかな」と思いながら歩いた。
わたしは高層マンションが立ち並ぶ住宅街を抜けて、目的の場所を探した。「あの建物だ」と思うものの、近づいてみるとそこではないということが何度か続いた。いつの間にかわたしは何も載っていないベビーカーを押して歩いていた。元来た方向へ戻る途中、道路を清掃をしていた女性二人がわたしのために道をあけてくれた。わたしは「ありがとう」と言い、彼女たちは微笑んだ。
その後でふと、わざわざベビーカーを押して歩かなくても、畳んで持ち運べばいいのだと気づき、わたしはベビーカーを小さく畳んだ。