今日ようやくFEITORIA DO CACAO の『Tanzânia』を開封した。タンザニア、キロンベロバレー産のカカオとシープミルクの組み合わせ。ミルクのまろやかな甘みとともに、プラムやレーズンを思わせる果実系の芳香と、野に咲く花のような爽やかな香り、そしてほどよい酸味が口の中で絶妙なハーモニーを描く。
このところPMSが長引いていて常に眠りが浅く、疲労感が拭えずにいる。昼寝から目覚めた後、ふと「美味しいチョコレートが食べたい」と思い、エアロプレスで淹れたコーヒーとともに『Tanzânia』をゆっくり味わった。そして、一片のチョコレートが心身にもたらす効果に驚く。目覚めた後もなかなか起き上がれずにいたが、ソファーの上でブランケットにくるまったままチョコレートを味わう間に、味覚と嗅覚、触覚が呼び起こされ、さらにそれらが思いもよらぬ連想へと繋がって、イマジネーションがみるみる広がった。そして、自分の身体の中から活力が蘇ってくるのを感じた。
そこで、自分が、肉体の周期による体調のうつろいだけでなく、世界で起きているさまざまな出来事からも思いのほか強く影響を受けていることに気づいた。日本の感染状況と人々の反応、アフガニスタンの現状、新型ウイルスやワクチンをめぐる論争、各地で発生している自然災害、野生動物の減少や絶滅、形態的変化…インターネットやSNSを通して目にする膨大な数の情報にショックを受けることも多く、自分が思うよりもずっと消耗しているのを自覚した。最近またわたしのOCD傾向が悪化していた原因もおそらくそれだろう。このところTwitterやFacebookから離れぎみなのも、目にすると疲れることが多いからだ。
チョコレートを食べながらの何気ない会話の中で、Vから「(さくらの世話をする前に)あなたはまず自分をケアしなきゃ」と言われ、その通りだと痛感した。タンザニア産カカオの風味と香りが呼び起こした感覚とイマジネーションが、自分をいたわり喜ばせることが何より重要だと思い出させてくれた。